熟語故事成語比較


こんどは故事成語の熟語について考えてみようかのう。

故事成語の熟語でもあてはまるか

前にも言ったとおり、普通の熟語は、送り仮名をつけたり、ひっくり返してみれば意味がわかるのじゃが、故事成語の熟語にもあてはまるのじゃろうか?

矛盾むじゅん完璧かんぺきなんかで考えてみようかのう。

『矛盾』の場合
『矛盾』に送り仮名をつけてみると、「矛」と「盾」と読めるじゃろう。
「矛」は攻撃用の武器、「盾」は防御用の武器のことじゃ。
一見すると『天地』のように、反対の意味の漢字が組み合わさっているようじゃろう。

じゃが、『矛盾』は「矛」と「盾」のことを言いたいのではなくて、二つの事柄のつじつまが合わないことが言いたいのじゃ。つまり、漢字が表している意味と、言葉が表している意味が違うのじゃ!

『完璧』の場合
『完璧』に送り仮名をつけてひっくり返すと、「へき」を「まっと」うする、と読めるじゃろう。
「完う」は「守りきる」、「璧」はドーナツ状の玉の宝のことじゃ。
一見すると『乗車』のように、下の漢字が上の漢字の目的語になっているようじゃろう。

じゃが、『完璧』は「宝物を守る」ことを言いたいのではなくて、まったく非のうちどころのないことが言いたいのじゃ。つまり、『矛盾』のときと同じように漢字が表している意味と、言葉が表している意味が違うのじゃ!

二つの例から分かったことをまとめてみると、故事成語の熟語は・・・、
@送り仮名とつけたり、漢字をひっくり返せば読むことが出来る。
A漢字が表している意味と、言葉が表している意味が違う。

これは、故事成語が、昔の話を短くして出来た言葉であり、その話の意味・学んだことを言葉に詰め込んだからなのじゃ。

熟語と故事成語の違い――結論

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