良薬は口に苦し
 りょうやくはくちににがし

使用頻度
意味

 心から注意してくれる言葉は、聞きづらいが素直に聞いたほうがよい。

例文 つまらない小言でも、良薬は口に苦しというからちゃんと聞いておいたほうがいい。

解説


劉邦りゅうほうという人が、しんの国の首都を攻め落としたときのことじゃ。
宮殿には財宝がたくさんあり、劉邦は財宝を独占しようとしたのじゃ。
家臣たちはやめるよう言ったのじゃが、劉邦は聞きいれんかった。そこで張良ちょうりょうという人は、こう言ったのじゃ。

忠言ちゅうげんは耳にさからえどもおこないに利あり。良薬りょうやくは口に苦けれどもやまいに利あり。
(自分のためを思った忠告は聞きにくいけれど、行動にはプラスになる。
よい薬は苦いけれども、病気によく効く。)」

劉邦はこれを聞いて、財宝を独占することを止め、質素な暮らしをしたそうじゃ。

この「忠言は耳に逆らえども行いに利あり。良薬は口に苦けれども病に利あり。」という言葉が短くなって、「良薬は口に苦し」と言われるようになったのじゃ。

英語 Good medicine is bitter to the mouth.(よい薬は口に苦い)

出典

 史記しき