銀の滴降る降るまわりに1
「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに・・・・・・」

シマフクロウの神様は歌いながら、川の流れに沿って下り、人間の村の上を飛んでいました。
ふと下を眺めると、昔貧しかった人が、お金持ちになっているようです。
また、昔お金持ちだった人が、今では貧乏になってるようです。

海辺では、人間の子供達が遊んでいます。
小さな弓と小さな矢で遊んでいます。

「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに・・・・・・」

シマフクロウはそう歌いながら、子供達の上を飛びました。
子供達は、シマフクロウを走って追いかけながら言います。
「美しい鳥! 神さまの鳥だ!」
「さあ、早く矢を射よう!」
「あの神さまの鳥を射た者は、一番先に獲った者は真の勇者。本当の強者だ!」

昔は貧しかったにもかかわらず今ではお金持ちの子供達が、金の小弓に金の小矢を
持って狙います。シマフクロウは飛んでくる金の小矢を、下や上を通るようにして
避けました。

ススム