そんな子供達の中。
普通の小弓と小矢を持った、一人の子供に目が留まりました。
着ている着物から、貧しい家の子供だとわかります。
しかし、その子供の眼はよく見ると、立派な人間の子孫らしく思われます。
まるで、その子供は別の種類の鳥が群れの中に混じっているような有様でした。

けな気にも、その子供は普通の小弓と小矢を持ってシマフクロウを狙います。
昔貧しかった今のお金持ちの子供達は、それを見て笑います。

「呆れたなぁ。貧乏人の子供が、あのような神さまの鳥を狙っているぞ」
「僕達の金の小矢でさえ、受け取ってくださらないのに。
お前のような貧乏人の子供の普通の矢。
腐った矢を、あのような神さま鳥が受け取ってくれるはずがないだろ?」

貧しい子供をみんなで踏みつけたり、殴ったりしています。
しかし、貧しい子は少しも気にせずにシマフクロウを狙います。
その様子を見て、シマフクロウはとてもあわれに思いました。

「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに……」

シマフクロウは歌いながら、ゆっくりと円を描きながら空中飛びます。
貧しい子供は、弓を射る格好をとります。
唇を噛み締めて、十分に狙うと、矢を放ちました。
その小さな矢は、きらきらと光の線を描きながら飛んできます。
それを見たシマフクロウは手を差し伸べて、その小さな矢を受け止めました。

モドル ススム