シマフクロウはずっと座っていましたが、ちょうど真夜中になった頃起き上がりました。
「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに……」
静かに歌いながら、その家の下座や上座を飛び回ります。
羽音は金属のような響きを立てました。
羽ばたく度、まわりには美しい宝物がぱらぱらと落ちて、美しい音を立てます。
ほんのわずかの間に、私はこの小さな家を美しい宝物でいっぱいにしました。

「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに……」

シマフクロウは歌いながら、この小さな家をわずかの間に大きな金の家へと作りかえました。
家の中を、立派な宝壇や立派で美しい着物で飾りました。
村の富豪のどの家よりも、大きく立派に飾り付けました。
それを終えると、再び眠りました。

家の人々に楽しい夢を見せました。
栄えて富んでいたが、運悪く貧しくなってしまった者。
昔貧しかった今のお金持ちの人々から、馬鹿にされ、いじめられる様子を見て、あわれに思いました。
シマフクロウは身分の卑しい神ではありませんが、人間の家に泊まって豊かにしてあげたということを
貧しい家族に夢で知らせました。

まもなくすると夜は明け、家族の人々が一斉に起き出しました。
目をこすりながら立派になった家を見た人たちは、みな床の上に腰を抜かしてしまいました。



モドル ススム