老婦人は激しく泣き、老人は清らかのな涙をぽろぽろと落としていました。
やがて、起き上がるとシマフクロウのところに来て何度も拝みます。
そして言いました。

「ただの夢かと思っていましたが、驚いたことに実際にこうしてくださるとは。
貧しくつまらない粗末なだけの私の家にやってきて有難いです。
村の神さま、大切な神さが私達の不運を哀れんで、神さまの最高の恵みを与えてくれました。
ありがとうございます。」
老人は、とても丁寧にお礼を言いました。

それから、老人は御幣を作るために木を切り、立派な御幣を美しく作ってシマフクロウを飾りました。
老婦人は帯をきちんと締め直して、身支度しました。
子供に手伝いをさせ、薪取りや水汲み、酒造りの準備をして、酒の器を6つも上座に並べました。

シマフクロウは火の老女、老女神と共に沢山の神同士の話し合いをしました。
2日も経つと、神さまの好物である酒の美味しそうな香りが家中に漂い始めます。

モドル ススム