Lesson2 文字の基本編

開発への助言

いよいよ前回の下準備も済んでKAG3でゲームプログラ ミングを行うことになります。 KAG3では"タグ"というもので命令を与えて実際にゲームを動かします。このタグは、作品フォルダの中にある"scenario"というフォルダに存在 する "first.ks"に書いていくことになります。この"first.ks"はテキストファ イルですので、メモ帳(notepad)で編集することが 出来ますが、専用の編集ソフトを利用することをお勧めします。 専用の編集ソフトを利用することによって作業を効率的に進められるでしょう。
Studioついんくるがお勧めする編集ソフト
吉里吉里エディタ(ぽりん党様)
かぐや姫(雪だるま 様)

とりあえず文字を出してみよう!

KAG3で行ったゲームプログラミングのソース(命令の集まり)は"kirikiri2"の中にある、吉里吉里の実行ファイル(krkr.eXe)で 動作させることが出来ます。ためしに吉里吉里の実行ファイルを実行させてみてください。 すると左図の画面が出現すると思います。そしたら自分の作品フォルダを選択して、[OK]を押してみてください。 すると、


こんにちは。
と表示され、プログラムが停止したかと思います。そのまま×ボタンで終了させてください。 次にfirst.ksを開いてみてください。first.ksには、
[wait time=200]
*start|スタート
[cm]
こんにちは。
と書かれています。そう、先ほど画面に表示された"こんにちは。"の文字はここに書かれていたのです。それでは、 [ ]で囲まれた部分がKAG3のタグなのですが、一体どのタグが文字を表示させる命令を行っていたのでしょうか?
答えは何もないです。実はKAG3では文字を表示させるのにタグは必要ないのです。 それを実証するために [wait....ちは。 までソースを全て消して、好きな文字を入力して実行させて見ましょう。 私はソースにこう入力しました。
日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。


実行させるとこのように表示されました。 皆さんも、もともと存在していた上の3行を消してしまっても問題なく文字が表示されたと思います。 『KAG3では文字を表示させるのにタグ(命令)は必要ない。』 ということを覚えておきましょう。
これであなたは、ゲーム画面に何でも文字を表示することが出来るようになったのです。


改行とクリックと改ページ

さて、先ほどの
日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。
に続けて、文章を書くとします。(引き続き皆さんは自由な文章を使用してかまいません。)そこで問題になるのが 改行です。先ほど『文字を表示させるのにタグは必要ない。』といいましたが、改行についてはそれは通じません。 例えば
日本はゲーム作品に出会う機会が
世界で一番多い国です。
とソースに入力して実行しても上に掲載されている画像と全く同じ動作をします。極端な話、ソースに文字を入力するときに 一文字づつ改行しても、実行すれば全て一行に表示されてしまいます。ではどの様にして文字を改行させて表示するのでしょうか? お察しの通り、ここでタグの出番になります。改行して表示させるには [r]タグを使用します。 では早速試してみましょう。私は先ほどの文章に付け加えて、新たな文章を表示させることにしました。
日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。[r]
沢山の人が思い出の名作を持っています。

実行すると右のように表示されます。"〜です。"の後ろから 改行されていることが 確認できると思います。これを利用すれば、どんなに長い文章でも適度に改行を使用して読みやすくすることが可能ですし、 段落を作ることも出来ます。さらに改行を二回重ねれば、一行分のスペースを空けることだって可能です。 しかしながら、このまま大量の文章を表示させたらどうなるでしょうか?物凄いスピードで文章が次々と表示されてしまっては、どんなに 優れた読書家であっても困ってしまいます。そこで下に掲載してあるソースを見てください。


日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。[r]
沢山の人が思い出の名作を持っています。[r]
それは親の世代からあるシリーズや[r]
最新の作品、[r]
あるいは個人制作の同人作品であったりします。
これは五行分のテキストが表示されるソースです。これをこのように変えてみましょう。
日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。[l][r]
沢山の人が思い出の名作を持っています。[p]
[er]
それは親の世代からあるシリーズや[l][r]
最新の作品[l][r]
あるいは個人製作の同人作品であったりします。

このソースにある[l]タグと[p]タ グは、プレイヤーのクリックを待つ タグです。このソースでは毎行末で表示を一時ストップして、プレイヤーが画面をクリックしたときに次の表示が始まるようになっています。
では[l]タグ[p]タグ の違いは何なのでしょうか?左の図は、[l]タグ、[p]タグの動作上の見た目の違いを示したものです。三角形が下を向いている物、右を向いている物があ るのが分かるでしょう。 実はそれ以上でもそれ以下でもなく、違いはこれだけです。ここで重要なのはそれぞれのタグの使用用途で、 [l]タグは改行を待ち、[p]タグは改ページを待 つという視覚的な意味を持ちます。 改ページとは、今まで表示されていた文章を消して、新たに文章を表示し始めることで、[er]タグ表示されているメッセージを消すタグなのです。
まとめるとこのようになります。

;改行することを示し、クリックの後 改行して次の行へ進む
日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。[l][r]
;ページを切りかえることを示し、クリックの後次の行へ進む
沢山の人が思い出の名作を持っています。[p]
;表示内容を消す
[er]
それは親の世代からあるシリーズや[l][r]
最新の作品[l][r]
あるいは個人製作の同人作品であったりします。

文字についての基本はここまでにしましょう。

Tip

上のソースに";"(セミコロン)が使われているのが確認できるかと思います。KAG3のソースの中で、";"以降は、 吉里吉里に無視されるようになります。つまり、";"はコメント行として使用することができます。例えば
;日本はゲーム作品に出会う機会が世界で一番多い国です。[l][r]
;沢山の人が思い出の名作を持っています。[p]
;[er]
;それは親の世代からあるシリーズや[l][r]
;最新の作品[l][r]
;あるいは個人製作の同人作品であったりします。

とソースに書いて実行すれば何も起こらないことになります。

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