温度感覚と味覚の相互作用

舌では、味覚のほかに、「痛覚」「触覚」「圧覚」さらに「温度感覚」(温覚・冷覚)を感じることができます。
ここでは、味覚と温度感覚の関係について説明していきましょう!!

舌において、温度の感覚と味覚は、相互に、かなり複雑に関係していることが示されています。
たとえば、1960年代にハンガリーのフォン・ベケシーという人が人間の舌に温度(味刺激)を行い、温度と味覚を分類しようとしたそうです。
その結果、温度と味覚の情報は温覚、辛味、甘味を伝える群と、冷覚、塩味、酸味を伝える群の2群があることを発表しました。
そして、最近の科学の進歩により、舌の部分的な場所に温度刺激だけを与える技術が発達しました。
2000年、アメリカのクルーズとグリーンは温度を変化させることができる小型チップを舌にのせて、その変化によりどんな味を感じるか調査しました。
その結果、多くの被験者は、温度を上げていくと「甘味」を、温度を下げていくと「酸味」や「塩味」を感じると答えました。
このように書いていると「舌では味と温度感覚はいっしょに伝わって違いを判断できない」という風に感じるかもしれませんが、温度と味はきちんと区別することができるそうです。



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