川の中から、河童が顔を出しました。
手には、さっきユウタが蹴った小石が握られています。
小石を草むらの方へ投げました。
「石ならまだいいけど、こうやってゴミとか投げないでくれよ」
ユウタはあやまりました。
「ごめんなさい…」
河童がユウタの頭をなでます。
「わかってくれれば、おいらはそれでいいんだ」
ユウタは、河童にいいました。
「あのね。僕の住んでる街って、川も汚いし、明かりがいっぱいあるんだ。
だから、妖怪に会えないのかな…」
「ユウタの住んでるとこで会えないけど、おいらの里でいっぱい見ていけばいいんだ。
よーし。他の場所も案内するよ」