ユウタと河童は、誰にも見つからないような寂れた野原にやってきました。
「ここならきっと秘密基地が作れるよ!!」
ユウタは、嬉しそうに言いました。

河童が困った顔をして呟きました。
「困ったなぁ……」
ユウタは、秘密基地を作るために木の枝を集めています。

「待てぃ!待てーぃ!!」
大きな木の上から、声が聞こえてきました。
ユウタと河童は、声の方を見上げます。
「ほら出た……」
河童はため息をつきました。

「ワシは、この里で一番えらーい天狗様じゃ。
少年よ、秘密基地を作りたいならワシの許しをもらわんといけないんじゃぞ」

ユウタは困った顔をしました。
河童は深くため息をつきました。

「えーと。うん、わかった! 天狗さん、秘密基地作っていい?」
ユウタは天狗にきいてみました。