「駄目じゃ!駄目じゃー!!
少年よ、礼儀がなっとらんぞ。ワシは“天狗様”じゃ」
木の上から、天狗が言いました。
河童が、さらに深いため息をつきました。

「うーん…。天狗様、秘密基地を作ってもいいですか?」
ユウタは、再びきいてみました。

「駄目じゃ駄目じゃ駄目じゃ!駄目じゃー!!!」
天狗の怒鳴り声が大空に響き渡りました。

「どうして、だめなの??」
ユウタは、河童にきいてみました。

「ユウタ、もう行こう……」
河童はユウタの質問に答えずに、あきれたように言いました。
2人は来た道を引き返します。

「おい、お前ら何処へ行くのじゃ。話は終わっとらんぞ!!ちょっと待て!帰るな〜!!」


「あんな態度だけど、あの天狗は寂しがり屋らしいね」
河童がぽつりと呟きました。