ユウタと河童は、おばあさんの家に向かって再び歩き始めました。

「じゃあ、妖怪ってどこにいるの?」
ユウタは聞きました。

「それなら、簡単だ」
河童はまわりを見回しながらいいました。
すでに日が暮れ始めています。

「みんな、あちらこちらに住んでるんだ。」

ユウタも、辺りを見渡しました。
「色々なところ?」
ぽとりと、ユウタがキュウリを落としてしまいました。

「そうだ。色々なところ。
例えば、おいらはそこの川に住んでる。
あっちの山には、雪女の姉さんがいるし
そっちの野原には、白坊主が住んでる」

河童は、ユウタが落としたキュウリを拾って腕に戻しました。