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やぎ座
やぎ座
-Capricornus-
やぎ座
プロフィール
やぎ座は秋の南の空低く位置する星座です。形は逆三角形ですが、暗い星で構成され ているので見つけにくい星座です。やぎとは言っても全身がやぎというわけではなく、 上半身はやぎ、下半身は魚という姿になっています。

やぎ座の神話 - ギリシア神話より

あわてんぼうのパン

 古代ギリシアの人々は山野には「サテュロス」といって、山羊の手足と角を持った髭だらけの動物が棲んでいると考えていました。その仲間に牧神パンが含まれていました。 パンは昼寝が大好きで、騒がしい物音などで眠りをじゃまされることをひどく嫌っていました。パンは何かに驚くと、どうしていいら分からなくなり、自分を抑えることが出来なくなることが多かったのです。このことから「パニック」と言う言葉が生まれたといわれています。

  ある時パンは、山を降りてきた妖精のシュリンクスにばったり出会いました。彼女は狩の女神アルテミスのつきびとです。その可愛い姿に、パンは一目ぼれしてしまいました。しかし粗野なパンの姿を見たシュリンクスはビックリして逃げ出しました。シュリンクスの足は思ったより速く、羊の足で走るパンもなかなか追いつけないほどです。2人はとうとう川の手前まで来てしまい、追い詰められたシュリンクスが父の川の神に救いを求めました。

  パンはついにシュリンクスの腕を捕まえたと思いましたが、彼の手には川辺の葦があるだけでした。辺りを見回してもシュリンクスの姿はありませんでした。パンはしばらく呆然としていしまいました。すると思いついて、葦を切り、何本か合わせて笛を作りました。この笛にシュリンクスの名をつけ、パンは心を込めて吹きました。

  この葦笛は今日では「パンの笛(パンズ・フルート)」と呼ばれています。それは葦の茎を長短さまざまの管に切って、音程の順に並べた物で、パイプオルガンの原型とも言われています。

  パンはこの笛をいつも持って歩き、美しい調べを奏でていました。ある時、神々の集まりがナイル川のほとりでありました。パンはいつものように葦笛を吹いていました。するとそこへ百の頭をもつ怪物テュフォンが現れたのです。テュホンのすさまじいほえ声に驚いた神々は、それぞれ動物に姿を変えて逃げました。パニックに陥ったパンは、そのままの姿で川の浅瀬に飛び込みました。そのため、水に浸った部分は魚の姿に変わったりましたが、水から出ていたところは元の姿のままででした。その姿を大神ゼウスは星座にしたと伝えられています。 

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