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ナスカの地上絵を描こう!-考察-

□ 実物との違い
@メジャーを使用
A50倍に拡大する際に、いちいち計算していると手間がかかるため、
対応表を作成
B砂利を取り除くのではなく、線となるところに小石を敷きつめた
C実物の4分の1の大きさ
     
□ 疑問・考察
@正確さ    A    B耐久性    C重労働    D地面    □まとめ


@正確さ
このような方法で描けることはわかりましたが、実物は今回使った下絵の200倍拡大して描くわけですから、果たして正確に書けるのでしょうか。私たちの製作では最後に上から眺めて曲がっているところなどを微調整することができましたが、実物は巨大すぎて上から見ることはできません。にもかかわらずあれほどのまっすぐな線が描けたのはどうしてでしょうか。


A線
今回は石を並べて線にしましたが、小学校のジャングルジムの上から眺めただけでも遠くの線は見づらくなりました。しかし実物は砂利を取り除くことで線を描いていますが、それだけでまわりと同化せず、飛行機からもくっきり見えるのは、ナスカ特有の地質のためと考えられます。

B耐久性
今回私たちは2日間にわたって製作しましたが、一晩この地上絵を製作途中のまま放置しました。しかし2日目に行くと、地上絵はそのままの形でありました。もしこれが石ではなく白線などだったら、雨が溶かしり風が吹き飛ばしたりして消えていたかもしれません。
本物も線の周りは石で構成されており、そのおかげで風雨に耐えて、今まで形をとどめておくことができたのでしょう。


C重労働
今回の製作は、2人で約8時間かかりました。ロープを伸ばしたり点を打ったり石を並べたりと、立ったり座ったりを繰り返し汗だくになり、土にまみれながら作りました。今回のことでわかったことですが、これは単純な作業ですが1つ1つの作業を慎重に順を追ってやらなくてはならないため、人数が多いから早くできるというわけではありません。そこでこれを実物に単純にあてはめてみると、2人で32時間かかることになります。実際には広い土地を歩き回るためこれよりももっと時間がかかったことでしょう。
このように時間のかかる作業を、ナスカの人々がこなし今の正確な形を作り上げたことから(1)当時の生活は豊かで余裕があったこと(2)作る目的が明確にあったこと(3) 人々の理解があったこと などが考えられます。


D地面
今回私たちは、ロープを伸ばしたり地面に目印をつけたり石を並べたりと、土にまみれながら製作しました。そこで気づいたのは地面に対して向き合っている時間が多いことです。地面に絵を描くわけですから当たり前のことなのですが、実物はこれのさらに50倍ですから地面を相手によく飽きなかったな、と思いました。ナスカ人たちが根気よく作りつづけたということは、ナスカの大平原(=パンパ)を大切にし、何かのメッセージをそこに永久に残したかったからではないかと気づきました。



□ まとめ
「ナスカの地上絵は、ナスカの自然を尊重しかつ巧みに利用して、そのナスカ人にとって永久に残したいメッセージを含んだものである」というのが、実際に製作し考察したうえの結論です。


    

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