[クレタ美術] クレタ美術がその特質を明らかにするのは、 いわゆる旧宮殿時代である。 農業と海上貿易によって宮殿が作られ、 豪華な工芸品も出現する。 しかし、紀元前1700年頃の地震によってこの美術は壊滅する。 幸いなことに社会基盤にまで影響が及ぶことはなく、 崩壊した宮殿などは、以前にも増して複雑な構成と 豪華な装飾を持つ建物として復興(ふっこう)する。 クレタ美術の最盛期を表す壁画には、燕と百合(つばめとゆり)がある。 この壁画の描かれた時代は、 人間・動物・植物・海の生物を明るく自由に表す特徴を持つ。 この壁画も春の息吹を画面全体に感じさせる作品である。 |