ギリシャ神話と星座

星座のいわれと神話

星座の多くはギリシャ神話と関係のあるものです。
黄道十二星座【こうどうじゅうにせいざ】とは、88の星座のうち黄道(天球上における太陽の見かけの通り道のこと)上に現われる12の星座を指します。

その星座が見える季節は以下のとおりです。

季節

春の星座

夏の星座

秋の星座

冬の星座

星座名

かに

しし

おとめ

てんびん

さそり

いて

やぎ

みずがめ

うお

おひつじ

おうし

ふたご

日付

6/22〜7/22

7/23〜8/22

8/23〜9/23

9/24〜10/23

10/24〜11/22

11/23〜12/21

12/22〜1/20

1/21〜2/18

2/19〜3/20

3/21〜4/20

4/21〜5/21

5/22〜6/21

 


私たちになじみの深い十二星座です。
意外と知っている様で知らない星座と神話の関係があるかもしれません。
自分の星座と照らし合わせて見ると面白いと思います。


 


 
春の星座


かに座 《蟹座》 20時南中:3月26日
【英名:Cancer (キャンサー) 別名:巨蟹宮(きょかい) 6/22 〜 7/22】

 中心にあるプレセペ星団が美しい星座

由来:
ゼウスの子勇者ヘラクレス(ヘルクレス座)は、誤って自分の子を殺した罪を償うため、12の冒険を行うことになりました。
そのうちの1つがヒュドラ(うみへび座)の退治でした。
ゼウスの妻は女神ヘラでしたが、ヘラクレスの母親は別人でした。
このためヘラはヘラクレスを快く思っていませんでした。

ヘラはこの冒険のとき蟹を使いに出し、はさみでヘラクレスの脚を切ろうとしました。
しかし、ヒュドラとの格闘中のヘラクレスは全く気付かずに蟹を踏み潰して殺してしまいました。
その蟹は天に昇り「かに座」となりました。

 

 




しし座 《獅子座》 20時南中:4月25日
【英名:Leo (レオ) 別名:獅子宮(しし) 7/23 〜 8/22】

 春の星座の中でも、特に形の整った美しい星座

由来:
12の冒険を行うことになった勇者ヘラクレス(ヘルクレス座)の最初の冒険が、このネメアの谷の化け物ライオン(ネメアの獅子)の退治でした。

ヘラクレスは最初弓を使いましたが利かず、棍棒で叩いたのちに首を絞めて殺しました。
ヘラクレスの12の冒険で殺された者はすべて星座になることになっていたので、化け物ライオンは天にあげられ「しし座」となりました。

 


おとめ座 《乙女座》 20時南中:6月7日
【英名:Virgo (バルゴ) 別名:処女宮(しょじょ) 8/23 〜 9/23】

 背中に翼を持つ女神の姿を現したもの

由来:
昔、人間が仲良く暮らしていた時代は神もまた地上で人間と仲良く暮らしていました。
しかし後に現れた人間たちは争ってばかりだったので、神は1人ずつ天に帰っていきました。

最後まで残ったのが正義と天文の女神アストライアで、1人地上に残り、人間に正義を教えていましたが、彼女も人間に失望し自ら天に昇って「おとめ座」となりました。

由来2:
豊作の神デメテルの娘ペルセポネであるともいいます。
ペルセポネは冥神ハデスの妻となり、年のうち8か月は天上で、残り4か月は冥界で過ごします。
この4か月は「おとめ座」が天に上がらない季節であり、穀物の育たない季節です。

明るい1等星スピカは、ラテン語で麦の穂を意味します。あるいは、おとめ座はデメテル本人であるともいいます。



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 夏の星座


てんびん座 《天秤座》 20時南中:7月6日
【英名:Libra (ライブラ) 別名:天秤宮(てんびん) 9/24 〜 10/23】

 正義の女神アストレアが、善悪を裁くのに使用した天秤

由来:
隣の女神アストライア (おとめ座)の所有物で、正義を計る天秤です。

かつては秋分点がこの星座にあったので、時を計る天秤だったという説もあります。
元々は「さそり座」のはさみの部分であったとも考えられています。
後に星座として独立しました。

 




さそり座 《蠍座》 20時南中:7月23日
【英名:Scorpius (スコーピオン) 別名:天蝎宮(てんかつ) 10/24 〜 11/22】

 真紅に燃える一等星アンタレスを中心に、大きなS字のカーブを描く星座

由来:
力自慢のオリオンが 「天下に自分にかなう者はいない」 と高言してはばからなかったことにヘラが怒り、大さそりを投げつけました。
オリオンはさそりの猛毒で殺され星座になりました。

この大さそりもオリオンを刺し殺した功績で天にあげられ、星座になりました。
このため星座になってもオリオンはさそりを怖れ、「さそり座」が天に昇ってくる夏にはオリオン座は地平線の下に隠れてしまいます。

 




いて座 《射手座》 20時南中:9月2日
【英名:Sagittarius (サジタリウス) 別名:人馬宮(じんば) 11/23 〜 12/21】

 天の川と弓が重なり、天の川から北斗七星を伏せたような形で伸びる

由来:
いて座はさそり座に弓を向けるケンタウロス(ラテン語読みでケンタウルス)として描かれています。

上半身が人間で下半身が馬の馬人が弓を射る姿、とされています。
弓を引き絞った姿で描かれ矢の先は、さそり座の心臓アンタレスに向けられています。
これはゼウスの命令で、サソリが天上でも暴れたときすぐに射殺することができるよう警戒しているため「いて座」の弓は常にひかれたままなのです。

 

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秋の星座


やぎ座 《山羊座》 20時南中:9月30日
【英名:Capricornus (カプリコーン) 別名:麿羯宮(まかつ) 12/22 〜 1/20】

 小さな星を連ねて逆三角形をかたどる、秋の1番手として登場する星座

由来:
神々がナイル川のほとりで宴会を開いていたところ、突然、怪物テュポン(テュフォン)が現れました。
驚いた神々は動物に姿を変えて逃げ出しました。

美の女神アフロディテとその子エロスはナイル川に飛び込み、姿を魚に変えました。
牧神パンも山羊の形になりナイル川に飛び込んだところ、下半身が魚になってしまいました。
その後、その姿は大神ゼウスによって「やぎ座」とされました。 

 




みずがめ座 《水瓶座》 20時南中:10月22日
【英名:Aquarius (アクエリアス) 別名:宝瓶宮(ほうへい) 1/21 〜 2/18】

 山羊座に寄り添うような形で姿を現す水瓶座

由来:
トロイの王、ガニメデスが持つ水瓶です。
ネクタルという神酒を汲む仕事を授かっていた娘へーベが退職してしまいました。
そしてゼウスは彼女の代わりとして彼(ガニメデス)を攫い、水汲みの役目を負わせました。

 




うお座 《魚座》 20時南中:11月22日
【英名:Pisces (ピスケス) 別名:双魚宮(そうぎょ) 2/19 〜 3/20】

 北の魚と西の魚が紐で結びつけられたような不思議な姿

由来:
神々がナイル川のほとりで宴会を開いていたところ、突然、怪物テュポンが現れました。
驚いた美の女神アプロディテとその子エロスは、魚の形になってナイル川に飛び込み、逃げました。
2人ははぐれないよう、ひもをつけて逃げたのです。その様子が「うお座」となりました。

 

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冬の星座


おひつじ座 《牡羊座》 20時南中12月25日
【英名:Aries (アリエス) 別名:白羊宮(はくよう) 3/21 〜 4/20】

 アンドロメダ座のすぐ隣にある、さんかく座の下にある星座

由来:
神々がナイル川のほとりで宴会を開いていたところ、突然、怪物テュポンが現れました。
驚いた神々は動物に姿を変えて逃げました。
大神ゼウスは羊になって逃げました。その姿が大神ゼウス自身によって「おひつじ座」とされました。

 



おうし座 《牡牛座》 20時南中1月24日
【英名:Tauras (タウラス) 別名:金牛宮(きんぎゅう) 4/21 〜 5/21】

 オリオン座の斜め上に位置するプレアデス星団とヒアデス星団を含む星座

由来:
ゼウスがニンフの(一説では人間の王女)エウロペに恋をしました。
ゼウスは誰にも分からぬよう、牡牛に化けてエウロペに近づきました。
その後、ゼウスは正体を明かし2人はクレタ島に行って子をもうけました。
そのときのゼウスの姿から「おうし座」となりました。

 



ふたご座 《双子座》 20時南中3月3日
【英名:Gemini (ジェミニ) 別名:双子宮(そうし) 5/22 〜 6/21】

 オリオン座の斜め上、プレアデス星団と反対方向にある2つの明るい星

由来:
この双子はゼウスの息子で、それぞれの名は弟がポルックス、兄はカストルといいました。
弟のポルックスは神となり(理由は諸説ある)彼は不死になりましたが、兄のカストルは
人間のままで、いつかは死ぬ運命にありました。

戦争の最中、カストルは流れ矢にあたり戦死してしまいました。
ポルックスはこれを嘆き悲しみ、彼を哀れに思ったゼウスはポルックスを天上に連れていき、神の一員にしようとしました。
しかしポルックスは兄と一緒でなければ天上に行くのは嫌だとゼウスの行いを承知せず、
ゼウスはカストルにポルックスの不死性を半分分け与えました。
そして2人を1日おきに天上界と人間界で暮らすようにさせました。

やがて2人は星となり、「ふたご座」となりました。

 

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