その他の星座―夏

夏に見られる星座

黄道十二星座以外にも、空には沢山の星座が存在しています。
それぞれ違う物語を持って、古代の人々の思想や背景を今に伝えています。
夏に見える他の星座で、神話と関わりのあるものをあげてみました。

かんむり座

りゅう座

ヘラクレス座

こと座

はくちょう座

へび座

へびつかい座

わし座

や座

いるか座

おおかみ座

 


 


 
夏の星座


かんむり座 《冠座》
【英名:the Northern Crown】

 7個の星が半円形を描く姿が可愛らしい、「アリアドネの冠」

由来:
酒の神デュオニソスが、人間の王女アリアドネと結婚したときに贈った冠です。
地中海のクレタ島に、頭が牛で体が人間の姿をしたミノタウロスという怪物が閉じ込められていました。
クレタ島の王女だったアリアドネは、ミノタウロスを退治するため クレタ島にきたアテネの王子テセウスと 恋に落ちますが、二人でアテネに帰る旅の途中、アリアドネは一人置き去りにされてしまいます(理由は諸説あり)。
悲しむアリアドネを哀れに思って、デュオニソスは彼女を妻としました。

 

 




りゅう座《竜座》
【英名:the Dragon】
真夏の宵に美しく夜空に浮かぶ星座


由来:
英雄ヘラクレスの12の冒険で退治された竜。(ヘラクレス座・さそり座参照)
世界の西の果てにあるヘスペリデスの園にある金の林檎を守っていた竜でしたが、 ヘラクレスに殺され、金の林檎をとられてしまいます。
しかし、それまで林檎を守っていた功績に よりりゅうは星座になったということです。

 

 




ヘラクレス座 《ヘラクレス座》
【英名:the Kneeling Man】

 真夏に天頂付近に見える全天で五番目に大きな星座

由来:
最高神ゼウスの息子であるヘラクレス。怪力をもつことで知られるギリシア神話の中でも 有名なヒーローです。
ヘラクレスの話で有名なものは、呪いによる家族殺害の罪を償うための12の冒険です。 (さそり座参照)
冒険を終えたヘラクレスは後妻のディアネイラとともに平和に暮らしていましたが、 ある日ヘラクレスが乱暴なケンタウロス族のネッソスを退治したとき、死に際にネッソスが、自分の血をヘラクレスの 服に塗ると幸せになれるとディアネイラをだまします。
しかし、ヒドラの弓矢で退治されたネッソスの 血は毒性を持っていたのです。
毒の塗られた服を着たヘラクレスは死を覚悟し、自ら炎の中に飛び込んで星座になりました。

 


こと座 《琴座》
【英名:the Lyre】

ギリシャの悲劇を表す小さな楽器、織姫星ベガが美しい星座

由来:
怪力ヘラクレスの冒険の1つに登場するヒドラが星座になった姿です。
竪琴の名手であったオルフェウスは、エウリュディケと恋仲でしたが、結婚してまもなく エウリュディケが毒蛇にかまれて死んでしまいました。

オルフェウスは死んでしまった妻を取り戻す ために死の国へと向かい、怪物達を見事な竪琴の音色でおとなしくさせ、死者の王ハデスに妻を 返してくれるよう嘆願し、竪琴を奏でました。
竪琴の音色に心を動かされたハデスは地上に着くまでの間後ろを振り返らないという条件で妻を 連れ帰ることを許しました.
しかしもうすぐで死者の国から出られるというときになって、オルフェウスは 後ろを振り返ってしまいます。

エウリュディケはたちまち死者の国に連れ戻され、オルフェウスは悲しみの 余り命を絶ちました。
ゼウスは落ちた竪琴を拾って、星座にしました。



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はくちょう座 《白鳥座》
【英名:the Swan】

1等星デネブや2等星アルビレオを持つ、見つけやすい星座座


由来:
ゼウスが白鳥になったときの姿。
スパルタのレーダ王妃に一目ぼれした最高神ゼウスは、白鳥に姿を変えて彼女のもとへ向かいました。 レーダはそれがゼウスとは知らず白鳥を抱きしめ、後に二つの卵を産みました。

1つの卵からはふたご座のカストルとボルックスが、もうひとつの卵からは 美女ヘレネとクリュタイムネストラが生まれました。

 




へび座《蛇座》
【英名:the Serpent】

 蛇使い座の一部でもある長い星座


由来:
へび使い座につかまった、へびの星座です。医術の象徴といわれます。

 




へびつかい座 《蛇使い座》
【英名:the Serpent Bearer】

 夏の大三角形とさそり座に挟まれた星座


由来:
アポロンの息子アスクレピオスは幼いころからケンタウルス族のケイロンに医術を習っていましたが、 その才能があってか、死人を生き返らせるほどの腕前になりました。

死人が自分の領土にやってこなくなったハデスは最高神ゼウスにアスクレピオスの所業を訴え、 ゼウスはアスクレピオスをいかづちで殺してしまいましたが、天に上げてへびつかい座としたのです。

 

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わし座 《鷲座》
【英名:the Eagle】

 アルタイルを中心とする堂々とした星座

由来:
わしに姿を変えたゼウスを表した星座。
トロイの国の羊飼いの少年ガニメデは大変美しい姿をしており、天井から彼をみた最高神ゼウスは 一目で彼を好きになってしまいました。

ゼウスはわしの姿になりガニメデをさらってしまいました。

 

 




や座 《矢座》
【英名:the Arrow】

 夏〜初秋の夜、Y字型を探してみてください

由来:
全天でも三番目に小さな星座ですが、有名なエロスの矢をモチーフにしています。 や座は愛の神エロスが持つ矢を表した星座です。
エロスの矢に射られると愛が芽生えてしまうといわれ、彼とその矢に対する幻想的な話がたくさん残っています。

 

 




いるか座 《海豚座》
【英名:the Dolphin】

 秋の初めに見られる、ひし形の可愛らしい星座

由来:
音楽家のアリオンはシチリア島の音楽祭で優勝し大金を手に入れましたが、船に乗り家に帰る途中で、 水夫達のかつあげにあいました。

アリオンは最後の願いとして竪琴で曲をかなで、みずから荒海の中に飛び込みました。
海上にはアリオンの美しい 竪琴と歌を聞いたイルカが集まっており、1匹の背にのったアリオンは無事海岸までたどり着くことが 出来たのでした。
いるか座は、これを記念して作られた星座といわれています。

 

 

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おおかみ座《狼座》
【英名:the Wolf】

 ケンタウルス座のすぐしたにある、地平線ギリギリに浮かぶ星座

由来:
ケンタウルスの狩った狼を星座にしたものといわれています。

もともとは単に「野獣」と呼ばれ、ケンタウルスの狩りの獲物とされる見方から「犠牲」などという名で 呼ばれることもありました。

 



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