この絵はパトロンであったルドヴィーコ・スフォルツァ公の注文で描いた絵画です。これはキリスト教の聖書に登場するイエス・キリスト最後の日に描かれている『最後の晩餐』の様子を描いています。ヨハネによる福音書13章21節より、キリストが12弟子の中の一人が私を裏切る、と予言した時の様子です。
また、絵の中に隠された人物がいるという新説が発表され、話題を呼んでいます。近年、世界的ベストセラーとなった小説『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン著)では、失われた聖杯とは、これまで言われていたようなキリストが最後の晩餐で使った杯(さかずき)ではなく、「マグダラのマリア(イエスによって回心した売春婦)」とイエスとの血統、即ち二人の子孫を指すという新たな考え方が発表されました。
また、これまで聖ヨハネと考えられていたキリストの左側に座る女性的な外見の人物は、実際にはマグダラのマリアであり、また二人の間に作られた「V」字型の空間はイエスの血を受けた「聖杯」=マリアの子宮を意味し、二人の間には子供が出来ていたことを指し示すとしています。
おそらくダ・ヴィンチは、この絵の中にまずマグダラのマリアとキリストの間に生まれた子供を描いたと考えられています。しかし描いていく行く途中に消し、マリアとキリストの間に開いた空間を残すことで、隠された暗示を残して、彼らの間に生まれた子供とその血統=聖杯を描いた言われています。
ダ・ヴィンチの席順: (ペテロ)−(ユダ)−(愛する弟子)−(イエス)
オーソドックスな席次:((ユダ)−(ペテロ)−(イエス)−(愛する弟子)
ミュンヘンにあるちょっと異例な席順:(ユダ)−(イエス)−(愛する弟子)−(ペテロ)