モルについて






そもそもモルって何?

Q.ソフトボールを地球の大きさに拡大したする。
 これと同じ割合で水素原子を拡大したとしたら、その大きさはどのくらいでしょう?

 人間
 パチンコ玉
 ドーム球場
答えはイ。
ソフトボール(直径約10cm=0.1m)の大きさを1億(=108=100000000)倍すると

地球(直径約1万km)の大きさになります。
水素原子(直径約100億分の1m=10-10m=0.0000000001m)の大きさを1億(=108=100000000)倍すると

100分の1m(1cm)となり、パチンコ玉ぐらいの大きさになります。
ここでは原子や分子の世界がいかに微小(ミクロ)かを想像してみよう。

えっ?イメージが浮かばないって? では、このたとえ話はどうでしょう?
「コップ1杯の水の中にある水分子の数は、
そのコップで太平洋の海水を”1杯、2杯、3杯、・・・”とくみ出す回数とほぼ同じ」
あれっ?!ますます分からなくなったって? まあ、とっても小さいんだ、というイメージでOK。




それはわかったけど、結局モルって何?


では、いよいよモル(mol)の登場です。


原子量12の炭素原子12gの中には、何と6×1023(6000000000000000000000)個もの 炭素原子があります。
12個セットになったものを1ダースと呼ぶように、この6×1023個のセットを1モル(mol)と呼びます。
ですから、原子量12の炭素原子1モル(=6×1023個)の質量は12gになります。
この6×1023は特別の数なので「アボガドロ数」と呼んでいます。
同じように、原子量1の水素原子1モル(=6×1023個)の質量は

1個1個が炭素原子の質量の12分の1ですから1gになります。

これを並べて書いてみると分かりやすくなると思います。

水素原子…H原子量…1が、1mol(6×1023個)で1g
炭素原子…C原子量…12が、1mol(6×1023個)で12g
酸素原子…O原子量…16が、1mol(6×1023個)で16g
水素分子…H2分子量…2が、1mol(6×1023個)で2g
酸素分子…O2分子量…32が、1mol(6×1023個)で32g
二酸化炭素分子…CO2分子量…44が、1mol(6×1023個)で44g
水分子…H2O分子量…18が、1mol(6×1023個)で18g
塩化ナトリウム…NaCl式量…58.5が、1mol(6×1023個)で58.5g
ショ糖…C12H22O11式量…342が、1mol(6×1023個)で342g
水分子の物質量を写真で見たい人はこちら
塩化ナトリウムの物質量を写真で見たい人はこちら
ショ糖の物質量を写真で見たい人はこちら

ちなみに...水などの気体の場合は1mol=22.4リットル。
写真で表して人間と比較すると...このぐらい

そのモルをどんなふうに使うの?

水素と酸素が反応して水が生成する反応で考えましょう。



   2H2 O2 2H2O
分子数2個1個2個
↓※この関係は比例するのでそれぞれを6×1023倍する。↓
分子数2×6×10236×10232×6×1023
モル2mol1mol2mol
質量の関係4g32g36g
気体の体積の関係2×22.4L22.4L2×22.4L

こんなふうに化学反応式がきちんと決まれば、いろいろなことが分かります!

ところで、アボガドロ数のようなとても大きな数をどのように求めたのでしょうか?

最後に実験でアボガドロ数を求めてみましょう。

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