静電気の利用


いきなりですが静電気って何でしょう?
・・これまで何回もこの質問をしてきましたね。
『学習編』では

「静電気とは物体に電気がたまる現象、もしくはその電気のこと」

と言いました。
つまり、静電気だって電気です。
電気なら、それを利用して何かを動かすことはできないのでしょうか?
答えはノーです。
静電気も電気ではありますが、そこから取り出せる電気はほとんどありません。
よって静電気を使って家電製品を動かそうとしても無駄です。
しかし、

「静電気は役に立たない!」

という考えは誤りです。
静電気は情報通信技術をはじめとして、多様な分野で利用されて活躍しています。
このページではそんな静電気が利用されているものを紹介していこうと思います。

◆複写機・レーザープリンタ
複写機は心臓部に負の電荷を持った感光体ドラムというものがあります。
コピーのとき、そのドラムにはコピーする書類などの像がうつされ、その像の黒い部分以外は電荷を失います。
そのあとは静電気力を利用して黒い部分の電荷が残っている部分にトナー(紙に転写される顔料の黒い粉)をふりかけ、紙に固定します。


◆空気清浄器
空気清浄器には様々なしくみの物があります。
最も効果的なものに、空気中の細かい粒子にプラスの電荷を与え、マイナスに帯電させた格子に吸い込ませる、というものがあります。


◆電気集じん機
電気集じん機とは、ガスの中に浮遊する細かい粒子などを静電気力を利用して除去する装置のことです。
排ガス中の粒子帯電させ、それをクーロン力によって補集して分離します。


◆花粉防止マスク
フィルターのクーロン力によって大気中の花粉やほこりなどを吸着します。


◆静電塗装
塗装粒子をマイナスに帯電させ、プラスに帯電させた物体にふりかけて吸着させます。
ムラなく吹き付けることができるので、便利です。

色々と迷惑な静電気ですが、実は生活には欠かせないものだったんですね。

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