第六回〜放電


はいはい〜、こんにちは。
この回で静電気の基礎についての説明は終わります。
これまで学んだ内容はちゃんと頭に入っていますか?
ではいってみましょ〜♪
・・というわけで、いきなり本題です。
ふつう日常生活では、冬場に金属に触れようとしてバチッときた時に

「うわっ、静電気だ!」

なんて言うと思います。
これはつまり

「静電気が起こった!」

と言っているわけです。
しかし厳密に言うとこの表現は正しくありません。
静電気の定義を思い出してください。
静電気とは物体に電気がたまる現象のこと、もしくはその電気のことを指します。
つまりこういうときは正しくは

「静電気によって火花が起こった」

と言うべきです。
なぜこんな話をしたのかといえば、この『静電気によって発生する火花』が問題だからです。
では詳しく解説していきましょう。
まずは"放電"という現象を知っておいてください。
放電というのは 帯電して静電気状態になった物体がその物体と逆の電気を帯びた物体と接触する時に電気が飛び散ることです。


<プラスの電気とマイナスの電気が接触>

これが静電気によって発生する火花の正体です。
ではなぜ金属に触れようとすると放電が起こるのでしょうか?
それに関わってくるのが前回学んだ静電誘導です。
プラスの電気を帯びた人間の手が金属に近づくと、静電誘導によってその金属の表面にマイナスの電気が集まります。


<静電誘導が起こる>

このとき、プラス電気は金属に集まったマイナス電気と結合しようとします。


<プラスとマイナスが引かれ合う>

その瞬間に普段私たちが静電気と呼ぶ『静電気によって発生する火花』、つまり放電が発生します。


<放電が発生する>

バチッとなった瞬間は放電している状態で、すでに静電気ではなく電流になっています。
つまり

「私たちが静電気と呼ぶ『静電気によって発生する火花』とは マイナスの電気とプラスの電気が結合しようとしたときに起こる放電である」

と言えます。

<POINT> 静電気状態の物体が逆の電気を帯びた物体と接触する時に電気が飛び散
       ることを放電という


さて、ここまでで静電気の発生のしくみに関しての説明は終わりました。
これで大体のことはわかったと思います。
次回からはこれまで学んできた知識を応用し、深めていきましょう。
それでは〜。

第五回      学習編      ちょっと難しい話