携帯とPHSとポケベル。似たようなデバイスなので比較されがちですが、ちゃんとそれぞれの特徴や得意分野があります。
まずポケベルのはなしからしますが、今の高校生はポケベル世代ではないでしょう。ポケベルを見たことがないという人も大勢いるはずです。ちなみにポケベルはNTTの商標なので、これ以降ページャと表記を改めることにします。
ページャは呼び出し機なので電話を要求する合図を送る(ページャは受け取る)目的などに使われていました。受信しかできないので携帯やPHSとは概念が決定的に違いますね。合図を受け取る機能にとどまらず簡単な文章を送ることもできるようになりましたが、携帯やPHSの台頭によってだんだん加入者を減らしていき、両者のメールサービス開始によって完全に存在価値をなくしてしまいましたが、電波が強靭である点が当時電波の弱かった携帯とPHSに対する大きなアドバンテージでした。
では携帯とPHSはなにが違うのでしょうか。PHSとはフルスペルでPersonal Handy-phone Systemといい、基地局と双方向通信が行えます。つまりページャとは違い“送る”こともできると言うことです。ものすごく簡単に言ってしまうと、大規模なコードレス電話で、内線の子機になる機能や基地局を介さずに端末同士で直接通話する機能を持っている機種もあります。このような機能は携帯には備わっておらずPHSの独自性が見受けられます。一つの基地局がカバーできる範囲は狭いですが設置費用は携帯のそれが1億円を超えるのに対して20万~200万円と比較的安く地下に強いです。またペースメーカーなどの機器に影響を与える恐れが少なく、病院内での連絡用にも用いられています。
このような特徴を持つPHSですが90年代後半に見せたブームは終わり、一時期はまったく見かけなくなりましたがDDIポケットがウィルコムに社名を変更し、フルブラウザと定額制を武器にした通称「京ぽん」、AH-K3001Vがブレイクしたことによってまた注目を浴びるようになりました。