富士山登山記 〜御鉢回り〜

2008年10月12日(日)

10:38 頂上到着?

須走口頂上 標高3750m



ものすごい風景である。

雲ははるか下に見え、集落は蟻のように小さい。

ここまでシュールな風景が現実に見られるとは思ってもいなかった。

富士山に登って本当によかった、と心から思えた瞬間である。

それと同時に、人間の悩みの果敢無さを感じさせられた。

「僕たちも富士山のような不動心を持たないと。」

ここまでいろいろ大変なこともあったが、気づいてみればみんな笑顔に。



菊屋で同泊した大阪のお兄ちゃんと東の空を背景に1枚。

「本当にお疲れ様」

見事登頂を達成した同志を、互いに讃えあった。



そして一通り感動に浸った後は、少し頂上を散策してみることに。

ここが頂上の本宮だ。疲れ果てて寝てしまっている人の様子も見える。



頂上の休憩所。眼下には広大なパノラマが展開する。



でも、さっきからずっと気になっていることがあった。

多分それを気にしていたのは僕だけじゃない。

もう一人も同じだったと思う。

すべて楽しくうまく回っていたからこそ、あえて口にしなかったのだと思う。

だけど二人ともずっと思ってたんだ。



ここ、頂上じゃないんじゃないか?って

「ここさ、標高3750mって書いてあるよ」

「富士山の標高って、3776mじゃなかったっけ??」

「なんかあっちの方が高そうじゃね??」



あそこ、一キロ以上はあるぞ…

でもここまで来て妥協するわけにはいかない。僕たちの登山はまだまだ続く。

そこよりも1センチ、1インチでも高い場所があれば、そこは頂上とは言えないのだ。

気が抜けない時間が続き、御鉢回りを開始する。

そういや、ここら辺から僕らの体調がおかしくなってきた。

一人の青年は頭痛をもよおし、呼吸が苦しい状況に。

とりあえずペースを下げて、頂上を目指すことにした。

御鉢回りとは富士山の頂上を一周することだが、実に不思議な光景ばかりであり、別世界の様相を呈している。

御鉢の中心には富士山の火口があるが、この規格外の大きさ。遠くに見える人のサイズと比べてみれば一目瞭然である。



ひとたびここから噴火すれば、どれだけの量の噴出物が出るのだろうか。

首都圏にまで大被害が及ぶのも納得してしまう。

そして遠くには上越の山々が。



山でさえ見下ろすことのできるこの優越感、なんとも言葉にし難い。

東西南北見渡すことのできる御鉢回り。

もう須走の頂上から1時間程歩き続けてきた頃であろうか。

ついにあの建物が見えてきた…



富士山測候所である。2004年10月01日をもって無人化されてしまい、今は誰も入れないようだ。

ここに富士山の最高地点、剣ヶ峰がある。

この階段を登れば、今度こそ富士山の頂上だ…

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