RNAウイルス
RNAウイルスは核酸の内容、カプシドの形、エンベロープの有無で分類されています。
重要なRNAウイルスグループ
@ピコナウイルス科
ピコナウイルスはとても小さくエンベロープはもっていない。
多面性のカプシドを持つ(+)センスRNAウイルスである。
病気を起こす150種類以上のウイルスが含まれている。
これはさらに5属に分けられる。
Aトガウイルス科
サイズが小さくエンベロープを持つ多面性の(+)センスRNAウイルスである。
多くの哺乳類細胞や節足動物細胞の細胞質で増殖する。
麻疹の原因となるウイルスもここに属している。
しかし節足動物により伝藩はされない。
ヒトからヒトへ感染が広がる
Bフラビウイルス科
エンベロープを持ち、多面性の(+)センスのRNAウイルス。
蚊やダニによって伝播される。
このウイルスは様々な
脳炎や発熱を起こす
C型肺炎の感染もこのウイルスによっておこる。
Cレトロウイルス科
ビリオン中に2本の完全な(+)センスRNAウイルス。
このウイルスはウイルスRNAをcDNAに置き換えて日本鎖DNAに複製する酵素
逆転写酵素を含んでいる。
Dパラミクソウイルス科
エンベロープがありらせん対称のヌクレオカプシドを持つ
(−)センスRNAウイルス。
このウイルスが及ぼす感染症は
小児のおたふく風邪、麻疹、ウイルス性の肺炎や気管支炎や
若いヒトの
軽い上気道感染症の原因になっている。
Eラブドウイルス科
エンベロープを持っているがカプシドはらせん対象をとり
ウイルスは棍棒状、あるいは弾丸状の形をしている。
(−)センスRNAウイルス。
Fオルソミクソウイルス科
エンベロープがあり、外形はらせん状や球状と様々。
(−)センスRNAウイルス。
このウイルスは
粘液に親和性をもっている。
Gフェロウイルス科
エンベロープがあり、紐状の形をした一本鎖の(−)センスRNAウイルス。
感染者の血液やその他の分泌液と濃厚な接触をした場合や
汚染された注射針を通してヒトからヒトへ感染する。
このウイルスは
出血熱やエボラ出血熱を引き起こす原因となる。
Hブンヤウイルス科
エンベロープがあり、(−)センスRNAウイルス。
最近この科にハンタウイルス肺症候群をひきおこす「ハンタウイルス」が加わった。
Iアレナウイルス科
エンベロープがあり、(−)センスRNAウイルス。
ヒトは感染動物の糞などとの接触やエアロゾルを通して、
またネズミに噛まれることにより感染します。
アルゼンチン出血病、ボリビア出血病、ラッサ熱はこのウイルスが原因となる。
Jレオウイルス科
エンベロープはなく、多面性カプシドを持ったdsRNAウイルス。
この科の中のロタウイルスは2歳以下の乳幼児に発生する
重症下痢の一般的な原因となっている。
また少数だが成人の上気道炎や胃腸炎の原因になっている。