Shigellosis

赤痢



病原体:赤痢菌(Shigella)

赤痢菌の生化学的性状は、大腸菌と似ています。
そこで、遺伝子学を前提としては同種という位置づけになりました。
しかし、医学上では赤痢菌の方が重篤な状態になるので区別する必要があります。
赤痢菌が大腸菌に含まれる、と言っても良いくらい似ているのですが、
近年では、生化学的性状がより一層似ている大腸菌との区別がつきにくいのが問題です。

赤痢菌には、
A群(志賀赤痢菌
B群(フレキシネル菌
C群(ボイド菌
D群(ソンネ菌
の4種類があります。

これらの分類は、生化学的な特徴、または抗原性の違いから成り立っています。

感染経路
赤痢菌によって汚染された水・氷・食品・生ものをとることで感染します。
しかし、赤痢菌は非常に少ない量でも感染します。
よって、食器・箸などを介して感染することがあり、経口感染でもあります

潜伏期間
潜伏期間は、1〜5日です。

症状
発熱、腹痛、下痢、たまに嘔吐もあり、
病変は、急性炎症(感染してすぐの炎症の状態)と潰瘍形成(皮膚・臓器内層などの破壊による)です。
重症例では、頻回の便意、便は便状の部分なく膿粘血のみを少量ずつ排出します。

また、A群(志賀赤痢菌)は病原性が強いので、
腸内からの出血による血便がみられるようになり、何度もトイレに行きたくなったりします。
B、C、D群で血便はみられません。
最近は、比較的軽症例が多いようです。

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