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ケニア

水不足

現在ケニアは過去10年間で最悪の干ばつに見舞われています。

ケニアなどの東アフリカの雨期は10〜11月と3〜5月なのですが、 2003年からはまとまった雨がほとんど降っていません。
ケニアでは400万人以上、アフリカ全土では2300万人以上の人々が また、家畜も何十万頭も死に、最も被害が大きいケニア北東部では、 1年間で牛や羊などの家畜の7割が死んでしまいました。

その上、ダムの水位が下がったせいで水力発電もできなくなり、 電気が補給できない状態が続いています。

ゾウやカバなどの野生生物も激減しました。
これだけでも大変な非常事態ですが、問題はこれだけではないのです。
今度は大洪水が起きる可能性が出てきたのです。

2009年、10月に発表された国連人道問題調整部(OCHA)の予測によれば、 今後数ヶ月のうちに東アフリカ一帯に大雨が降る可能性があるとのこと。

これは非常に危険な状況です。

アフリカの土壌は風化が進んでいて土の粒がとても細かく、 雨水が地の中にしみ込まないため、洪水がおきやすい。
つまり、大雨が降れば牧草がよみがえるどころか、 洪水に見舞われ、土地が侵食されてしまうのです。

洪水は建物の浸水、農作物の破壊などだけではなく、 洪水が引いた後の水は汚染されており、 水不足伝染病の蔓延なども引き起こしてしまいます。

水質汚染

ヴィクトリア湖はケニア、ウガンダ、タンザニアに含まれる アフリカ最大、世界でも第3位の大きさの巨大湖です。
ナイル川の源流でもあります。

「ダーウィンの箱庭」「生物多様性の宝庫」と言われるほど自然が豊かでした。
しかし、池に放された外来魚や、 森林伐採、交通輸送、農作業による深刻な汚染により、 500種類近くいた生き物たちは、200種にまで激減し、 湖の生態系は大きく崩れてしまっています。

また、1960年半ばに最高水位を記録して以来、 このヴィクトリア湖の水位は下がり続けています。
その影響で、ここの水を使った水力発電ができず、 隣国のウガンダやタンザニアでは停電が頻繁に起きています。


もう一つ、ケニア西部にあるナクル湖が今、汚染が進んでいます。
ナクル湖はフラミンゴで有名な湖で、 年間50万人以上が訪れるケニアで最も人気の観光地です。

ナクル湖は標高が低く周りの川の水が集まる場所なので、 下水、農業の肥料、農薬などが湖に流れ込んできてしまい、 その上、閉鎖湖なので入ってきた汚染物質が湖に蓄積してしまいます。

また、湖周辺の森林の急速な伐採も問題となっています。
現在では昔の30〜40%程度の森林しか残っておらず、 水源林が丸裸となって流量が大きく減ったのと、 大量の土砂が入ってくるようになったので、 水面が低くなり、湖が縮小してしまっています。

これらのことは、湖の生態系に大きなダメージを与えていて、 05年には、1年間に5万羽を超えるフラミンゴが死んでしまいました。

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