進む肥満遺伝子の解析
現在、ライフサイエンスはデブブームである。健康の大敵デブを遺伝子レベルで解析しようとする研究が、すごいスピードで進んでいる。ブームの火付け役は、ロックフェラー大学のジェフリー・フリードマンだ。1994年、遺伝的な理由で肥満したマウスから、彼は、その原因と思われる遺伝子を発見したのだ。
この遺伝子を肥満遺伝子(俗称、デブ遺伝子)、この遺伝子によってできるたんぱく質をレプチンと名付けた。レプチンは脂肪細胞で作られるホルモンで、ギリシア語の「レプトス(痩せるの意)」に由来する。
肥満遺伝子に欠陥のあるマウスは、レプチンを全くつくれない、あるいは、できそこないのレプチンを作る。このタイプのマウスは食欲がとても旺盛で、どんどん食べ続け、ぶくぶく太って、体重は普通のマウスの3倍にもなる。マウスではレプチンが不足することが肥満の原因になる。それならレプチンを肥満マウスに注入すればデブは治るはずであるう。そこでレプチンを大量に作ることになった。1995年の夏までに、いくつかの研究チームは組み換えDNA技術を利用して、レプチンの大量生産に成功したのである。
・マウスにレプチンを注入して効能を調べる実験
用意したマウスは、肥満遺伝子お欠陥による肥満マウス、別の原因による肥満マウス、普通のマウスの3種類。これらのマウスにレプチンを注射して様子をうかがった。
→結果:肥満遺伝子の欠陥による肥満マウスはあまり食べなくなり、スリムになるという劇的な効果が得られた。マウスの体内に注入されたレプチンが脳の視床下部に働いて、食欲を抑え、過食をやめさせたのである。

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