皆さんも一度は彼の名前を聞いたことがあるだろう。有名な錬金術師、ニコラ・フラメルだ。
彼の名は、あの有名なハリーポッターの中にも出てきている。作中では名前のみとなっていますが、賢者の石を完成させて、妻と暮らしていたとなっていますが、実際にはそんなことはありません。
ニコラ・フラメル 1330〜1418
公証人として生計を立てていた彼は、ある日夢の中で天使に会ったという。その天使が言うには、「金箔塗りの豪華な書物を手に入れるだろう」と言う。
数日後にフラメルは、行商人からまさに夢の中の天使が言った本を手に入れたのだ。だが、ヘブライ語で書かれていたため、研究しても本が読めなかった。
それから21年、フラメルは遂にスペインへ行くことにした。スペインにはヘブライ語に詳しいユダヤ人のラビが大勢いるからだ。
そこで出会ったカンシェという学者に会い、ユダヤ人のアブラハムによって書かれたであろう「アッシュ・メザレフ」という本かもしれないと知った。
その本を見たいカンシェはフラメルについてパリへ行こうとし、道中は錬金術について知っている限りの知識を伝えたが、パリに着く前に病に伏してしまい、本を見ずに病没した。
その後、妻のペルネルとともに錬金術の研究をし、年月日は不確かなものの、鉛から銀へ、水銀から金へと変成させたという。つまり、賢者の石の完成である。
彼は晩年14の病院、3つの礼拝堂、7つの教会に寄付したとされていて、その資金はどうやら錬金術によって金を練成して資金をまかなっていたといわれている。また、その後は妻と永遠の命を得てひそかに暮らしている・・・という伝説も残っている。
とにかくそれが事実であったにしろ無かったにしろ、ニコラ・フラメルは正に尊敬に値し、かつ偉大な錬金術師であったといえよう。
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