Prologue...1



「きりーつ。きをつけー。れーい。」
「おはよーございます。」

"いつも通り"の朝が始まった。と、その時の私は思っていました。

しかし、
いつもの決まり文句の様な、朝のあいさつに続いて先生は、"いつも通り"ではないことを口にしたのでした。

「今日から、転校生がこのクラスに来ます。」

そう言って、黒板に何か書き始めました。

『安藤悠輝』

先生がチョークを置いたとたん、女の子たちのピンク色の声があがりました。

「かっこいいかな??」
「彼女とかいるのかな??」

などなど…

当時の私は、そんなの全くと言っていい程、興味がありませんでした。
いや、興味を持たない様にしていただけかもしれません。

しかし、私にとってはそんなのどっちだって良かったのです。



 

手話トップに戻る