Sympathy



目を覚ますと…

白い天井、温かい部屋…

誰かが側に居る気がして、起き上がります。

"痛い…"

この痛みとともに、目の前に振ってきた本の事を思い出しました。

「ごめんね、ごめんね、本当にごめんね…」
奈緒が仕切りに謝っています。

「大丈夫か…?」
悠輝くんが心配そうに尋ねます。

「大丈夫? 痛くない?」
亜美や他の仲が良い友達もいます。

"みんな心配してくれたんだ"

そんなことを考えている時、悠輝くんが何か言いだしました。

「俺、手話覚えたい。
 二度とこんなことが起きないように、俺にできること、考えたんだ。
 そしたら、手話を覚えるが良いんじゃないかって思った。
 筆談とかだったら、面倒で、まあ、誰か伝えるだろう。ってなるし、口話だったら正確に伝わらないことだってある。
 手話だったら、そんなことないかなって。
 俺なりに考えたんだけど…」

"ありがとう"

私の目から、何か熱いものがこぼれていました。

「じゃぁ、みんなで指文字から勉強しようか♪」
手話が得意な亜美が立ち上がりました。




      

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