知る 2



「はい」
と、店員がやって来た。

「バナナチョコとチョコアイス、1つずつ」

「バナナチョコとチョコアイスですね、700円になります」

俺は財布を出して払おうとした。が。

「ちょっと待って!!」
レイの焦った声。
「ここ、先払いなの!?」

「ああ、」

「え、早く言ってよ!!待って、今お財布出すから……」

「いいよ、俺のおごりで。元々そのつもりだったし」

「え、何か悪いよ……」

「いいさ」
そう言いながら、俺は会計を済ませた。

「席までお持ちいたしますので、おかけになってお待ちください」
と、店員さん。

その店の奥は一段高くなっていたので、
俺は段差を避けるために、なるべく近くの席にレイを案内して座った。


     

点字トップへ→