ゲノム編集技術に対する法規制

ヒトゲノムの編集


ヒトの受精卵に対するゲノム編集については、以下のように決められています。
日本:ガイドラインによって禁止
ドイツ:法律により禁止
フランス:法律により禁止
アメリカ:条件付き禁止(政府が公的資金を費やして研究するのはNG)
イギリス:基礎研究は行えるが、ヒトを誕生させることは禁止。
中国:ヒトを誕生させることは禁止。

国によって違いはありますが、どの国においてもヒトの受精卵をゲノム編集した上で誕生させることは禁止されています。
日本においても、現在はガイドラインによって全面的に禁止をしていますが、今後は法律を作った上での規制の方向に向かっています。

その他生物について

ゲノム編集は、もちろんヒトにだけ行えるものではありません。その他の生物にも行えます。
遺伝子組換え作物には国際的な取り決め「カルタヘナ議定書」があると前ページで記載しました。しかしながら、ゲノム編集に関しては、まだ国際的な取り決めがありません。そこで、日本をはじめ、多くの国では「カルタヘナ議定書」を締約していますが、カルタヘナ議定書によって制定された法律(日本で言う『カルタヘナ法』)をどこまでゲノム編集に適応させるべきか、という議論がなされています。

生物を遺伝子レベルで改変させるという面で遺伝子組換えもゲノム編集も同じだけど、方法が全く違うからどこまで同じ法律で規制させるか議論されているわけね。

各国の対応状況を見てみよう。


ニュージーランド:1998年以降の技術により作られた生物を規制対象とする。
ブラジル:新技術によって作られた生物については、それが遺伝子組換え生物と言えるのかを「国家バイオ安全技術委員会」が判断。
アメリカ:農務省が「規制する予定はない」との声明を発表。アメリカ食品医薬品局はバイオテクノロジーによって作られた食品の安全性を評価するための行動計画を発表予定。
カナダ:使用した技術にかかわらず、新たな形質を有していれば規制の対象とする。
日本:現在、カルタヘナ法をどこまでゲノム編集に適応させるべきかの議論が行われており、近いうちに法律による規制がなされる見込み。
各国によって対応が異なっています。カルタヘナ議定書を締約していない国でも対応が別れました。アメリカは食品の安全性は守るという姿勢ですが、規制する予定がないという声明を発表しています。しかし、カナダでは規制の対象であるとしています。
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