侵略的外来種とは
 

外来種とは、日本にもともと存在していなかったのに、意図的又は非意図的に人間の活動によって海外から日本に持ち込まれた生物のことです。

もともと日本に存在する生物は在来種
と呼ばれます。

飛行機や船によって外国から持ち込まれ、生物が外来種として定着し、もともと日本に存在していた生物に影響を与えています。

日本の野外に存在する外来種の数は、判明しているだけで2000種類を超えていると言われています。

さまざまな人間による活動が日本の自然環境に悪影響を与えていて、非常に問題となっています。 



 外来生物の一番危険な生物

ここでは、現在日本に生息している外来生物で本当に危険な外来生物を8つ紹介します。

   

アライグマ ヒアリ セアカゴケグモ カミツキガメ
ワニガメ タイワンハブ アリゲーターガー  スクミリンゴガイ

アライグマ


   アライグマはもともと北アメリカに生息し、見た目は可愛らしく、タヌキによく似ています。

  性格は凶暴であり、アライグマに噛み付かれると大怪我をすることがあります。

  夜行性ですが昼間にも活動することもあり、繁殖力が強く農作物や住宅に被害が出るなどの情報が多く発生しています。

  被害総額は全国で約3億円以上
超えており、雑食で食物は何でも食べることがあります。

  現在は特定外来生物に指定されており、アライグマを飼うことが禁止されています。

  そして、
アライグマは非常に知能が高いことでも知られています。

  これからもアライグマの被害や攻撃など注意が必要です。

 


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 ヒアリ


  ヒアリの原産地は南アメリカ中部で、攻撃性で毒も非常に強いのが特徴です。

  日本では、2017年にコンテナの荷物の中などからヒアリが多く確認されています。

  ヒアリへの毒に対する反応は人それぞれ異なります。

  全ての人に現れる症状は、
焼けてしまうような痛みやかゆみです。

  また、ヒアリ類などのアレルギーを持っている人は、
じんましんや呼吸困難などが発生する危険性もあります。

  
息苦しさなどの症状が出た場合、アレルギー反応であるアナフィラキシーの可能性が高くなります。

  その場合は、
早く処置をしなければ命に関わる危険性があります。

  いったん繁殖すると根絶は極めて困難なので、日本ではヒアリの侵入を減らすためモニタリングなどが行われています。
 


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 セアカゴケグモ


  セアカゴケグモはもともとオーストラリア原産であり、三重県でもほぼ全域に確認されています。

  オスとメスで姿は異なっていて、
メスのみ毒があり、性格はおとなしいものの強い毒をもっています。

  痛みや腫れを引き起こす原因になり、場合によっては重症化する危険性があります。

  
吐き気や腹痛などの症状が現れることもあります。

  セアカゴケグモを発見したら素手で触らず、駆除をする場合、殺虫剤の噴露が効果的です。

  また、足で踏み潰すなど物理的な方法もあります。

  もし見つけた場合、
市役所や役場、保健所などに連絡しなければなりません。
 



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 カミツキガメ


  カミツキガメはもともと北アメリカから中央アメリカに生息しています。

  
雑食性で昆虫類や貝類、魚類、鳥類の死体など何でも食べます。

  繁殖能力が高く、1回に20個から30個、多い時は100個以上も卵を産むことがあります。

  カミツキガメの性格は臆病で、むこうから襲ってくることはありませんが、
噛む力は非常に強いのです。

  陸上では首を伸ばして、
目の前にいる生物を何でも噛み付きます。

  
ちょっかいを出してしまうと思いもかけない俊敏な動きで噛み付くことがあります。

  見つけた場合は、絶対に近づかないように注意しなければなりません。

  万が一、カミツキガメに噛み付かれてしまった場合、無理に引っ張ってしまうと肉が引き裂かれることがあります。

  その場合は
感染症にもなる危険性もあるため、必ず病院に受診しなければなりません。
 


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ワニガメ


  ワニガメはもともと北アメリカ大陸に生息し、だんだんと成長していく度に飼育が困難になってしまいました。

  その原因で飼育放棄されて野生化し、現在問題になっています。

  ワニガメの特徴は頭部にあり、
あごが非常に強靭人間の指程度の場合は簡単に噛みちぎれてしまうほどです。

  噛む強さは約300kg以上であり他のカメや貝類など簡単に噛み砕き食べてしまうことがあります。

  ワニガメは雑食性で魚類や哺乳類や果物など何でも食べてしまいます。

  ワニガメは普通に生活していれば噛み付くことはありません。

  しかし、人間のほうからちょっかいを出してしまうと、
驚くほどの速度で噛み付かれることもあります。

  見つけた場合は、近寄らず
警察などに通報しなければなりません。
 


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 タイワンハブ


  タイワンハブはもともと東南アジアや名前のとおりの台湾に生息しています。

  現在沖縄でよく発生しています。

  夜行性で鳥類や哺乳類などを捕食するため在来種に影響が懸念されています。

  在来種でもあるハブの仲間と同属であり、交雑が生じる可能性があります。

  
沖縄ではタイワンハブに噛まれる被害が発生しており、現在でも次々と分布を拡大しています。

  このまま
分布の拡大を続けてしまうと希少種の生息する地域にも侵入する恐れもあり、警戒しなければなりません。
 

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 アリゲーターガー


  アリゲーターガーはもともと淡水魚で生息地はアメリカの南西部やメキシコなどの国々に生息しています。

  アリゲーターガーの食性は動物食であり、成魚は魚類を餌にしていて、稀にカメなど食べることもあります。

  
2018年から特定外来生物に指定され、飼育、運搬、無許可の販売などが原則禁止されています。

  アリゲーターガーは鋭い歯、硬くて丈夫な骨格、硬いうろこを持ち、大きな姿から、人を襲うと言ううわさがあります。

  原産地においては、人間を襲うことという報告はないものの、釣り上げたとき怪我をしてしまうことが多くあります。

 


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現在、私たちの町で スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)が問題になっている!
スクミリンゴガイ


 スクミリンゴガイは、南アメリカ原産の淡水棲大型巻き貝です。日本には1980年代に食用目的で導入されました。

  しかし、
野生化してしまったスクミリンゴガイが稲を加害し始めたことにより、輸入が禁止されました。

  その後、
養殖業の廃業が多発し、大量のスクミリンゴガイが捨てられ、逃げ出したりして野生化しました。

  野生化したスクミリンゴガイはどんどん増加してその生息域を拡大していきました。

  そして、
九州、四国、本州地方の太平洋側などで、暖かい地域で水稲などの農作物に食害が多発しています。

  現在でも分布の拡大が続いており、大きな問題になっています。


  スクミリンゴガイは、
ピンク色の卵の塊を植物や水路の壁面などに産み付けます。

  1つの卵の塊は200から300の卵が入っていて、卵を産む間隔は10日程度と非常に短いのです。

  そのため、
繁殖力が非常に強く、また寄生虫に感染する危険性もあり、更には卵に毒が含まれています。

  水田などで卵を見つけた場合は、素手で触らず、ふ化する前に卵が付着している植物の茎や葉ごと水中に入れ  ましょう。

  
卵が白っぽければ水中に入れてもふ化してしまうので、そのままつぶしてしまいましょう。

 
スクミリンゴガイの卵
(URL:https://www.env.go.jp/
nature/intro/4document/files/
c_sukumiringogai.pdf)
から転載しました。




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