昆虫食ミニ図鑑

あらゆる生物には”味”が存在します。
「コオロギはご飯に合う」とか言われると、つい気になりませんか?
気になった昆虫がいれば、ぜひその昆虫から昆虫食を始めてください。

このページは、私たちが新しい昆虫を食べるたびに更新しています。お楽しみに。
食べる状態は一例ですが、最も食べやすいとされる状態を記載しています。


制作チームが食べたことがあるもの

カイコ 食べる状態:蛹(さなぎ)
品種改良の末生まれた野生には生息していない昆虫で、幼虫が作る繭から絹糸を取るために飼育されています。
衣服の元になり、栄養源にもなる、なんともありがたい昆虫さんです。
私たちは実際に飼育し、それを炒めていただきました。基本的に桑の葉しか食べないので、飼育のハードルは高めです。
一般的な食品でいうとナッツに近い味で、カリッとさせると食べやすくて美味しいです。自らの手で育てたこともあって、感慨深く味わいました。

イナゴ 食べる状態:成虫
日本ではよく稲を食べる害虫として農家に嫌われていますが、昔は貴重なたんぱく源でした。
農薬が使用されるようになってからというもの、田んぼのものは食用に適さなくなり現在に至ります。
エビの殻や尻尾のような味で、佃煮にすると佃煮本来の味と変わらないのでおすすめ。
馴染み深く初心者におすすめの昆虫です。私たちも最初の昆虫食はイナゴでした。

コオロギ 食べる状態:成虫
体色は黒や茶色の暗い褐色で、幼虫の時は半透明になっています。
体の最大の特徴は、脚の付け根が太く、ジャンプ力に優れているところでしょう。
脚全体にはトゲが生えていて、尾には2つの感覚器官があります。
敵が襲ってきた時にこの感覚器官で危険を察知し、トゲのある脚で蹴って身を守るのです。
このトゲは食べるにあたって支障になることはなく、味はエビに似ていて、例えるなら殻ごと食べられる小海老。
とはいっても、”コオロギの味”というものが明確に存在します。美味しかったです。

スズメバチ 食べる状態:巣を出る前の成虫・幼虫
まだ巣を出ておらず、針が柔らかいうちに食べるそうです。
見た目はえげつなく感じましたが、食べてみると味はコクがあって良かったです。 当たり前ですが、野生のものを捕らえるには危険が伴います。

シロアリ 食べる状態:成虫
羽を取ってから食べます。食べた昆虫の中で一番非昆虫に近い味でした。まんまナッツ。動物性たんぱく質が取れるナッツです。
食べようと思った理由はサイト冒頭でアリとキリギリスの話をしたからなのですが、実は黒アリではなくゴキブリの仲間なのでギ酸の酸っぱさはありません。

タガメ 食べる状態:成虫
タガメはカメムシ目コオイムシ科の昆虫です。
体の形はカメムシと同様に縦長の五角形に近いですが、カメムシよりも遥かに大きく、体長は5cmから7cm弱にもなります。
色は黒茶色で、黄色い縞模様が見られるものもいます。日本で最大の水棲昆虫であり、最大のカメムシでもあるのです。
弾力があって食べ応えがあり、香ばしくてコクがあるんだとか。フルーティーな風味が特徴で、サイダーとして売られていることもあるほどです。
サイダーで味わったことがありますが、爽やかな味でした。


制作チームが食べたことがないもの

カミキリムシ 食べる状態:幼虫
カミキリムシの特徴は、長い触角です。一般的に、触角が長いのがオス、短いのがメスと区別します。
カミキリムシのアゴをアップで見ると歯が鋭いうえにノコギリのようになっていて、実は本当に髪の毛が切れます。
表面は硬いため、お腹の部分しか食べられないが、魚の鯵の開きに似ており、魚のようなうま味があるそう。

バッタ 食べる状態:成虫
バッタ目バッタ亜科に分類される昆虫で、熱帯・温帯・草原・砂漠など地球上のあらゆる地域に広く分布しています。
体色は緑色や茶色のものが多く、外見はコオロギやキリギリスなどによく似ていますが、体が前後に細長くて触覚が短いのが特徴です。
昆虫のなかでも特に後ろ足が発達しており、体長の数十倍もの距離を跳躍することができます。
全体的に食べ応えがあり、味はぽりぽりした食感。エビカニ系の味で、例えるなら居酒屋に出てくるおつまみらしいです。食べてみたいですね。

セミ 食べる状態:成虫,幼虫
セミの最大の特徴はなんといっても鳴き声。
そのため、セミの名前の由来も鳴き声から来ていることが多いです。
セミが鳴くのはメスへの求愛行動と言われており、オスが大きな声で鳴くことによって自分の魅力を伝えるのです。
パリパリとした食感にナッツのような甘い香りとコクのあるうま味があって、揚げるのがおすすめだそう。

ナナフシ 食べる状態:成虫
木に擬態しているせいか、本当に枝や葉っぱの味で、固く弾力があるらしい。味レベルでも擬態しているということか。
なにそれ、食べたい。

カメムシ 食べる状態:成虫
カメムシ類の多くは危険を感じると悪臭のある分泌物を出すことで知られていますね。
この分泌物は外敵の撃退するためや、仲間へ警戒を知らせる一種のフェロモンとして作用していると考えられています。
カメムシは口から針のようなものを果実などに突き刺し中の養分や汁などを吸引するものの、
その針の痕が傷になったりその痕が原因で果実が変形したり腐ったりします。お茶目ですね。

強烈な香りはもちろんのこと、味はパクチーのようなクセのある味だそうです。2021年1月現在、国内に販売店を見つけられませんでした。。。

ゴキブリ 食べる状態:成虫
世界に約4000種とも言われるゴキブリの仲間ですが、日本にはおよそ60種が生息しています。
そのなかでも害虫として一般的に駆除の対象となっているのは、6種程度になります。
ゴキブリ類は雑食性で、主に不潔な生活環境に生息している点から、病原性細菌の伝播者となることがあります。
養殖であれば問題ないのにイメージのせいで嫌われている昆虫の筆頭ですね。

サクサクとした食感にエビの味で腹の部分はカニ味噌のような食感で淡白で上品な味だそう。
こちらも執筆現在国内に購入ルートが見つかりませんでした。残念。


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