Section9. 機材

パラアスリートは、練習や努力をして、技術の向上や筋力のレベルアップを図っていますが、メカニックの技術的なサポートが欠かせません。陰ながらも選手たちの身体の一部ともなる機材などについて見ていきましょう。


車椅子

ここでは、車椅子に着目します。
競技用車椅子に凝らされる工夫について、詳しく見ていきましょう。

写真で比べてみた!

一般的な車椅子(生活用)競技用車椅子(テニス)特徴

【前から見た様子】

テニス用車椅子は車輪がハの字型に傾いています。
→そのため、瞬時のターンが可能、かつ、バランスが安定し、転倒しにくい構造になっています。

【後ろから見た様子】

テニス用車椅子には後部にキャスターが1輪または2輪(写真は1輪)ついています。
→そのため、転倒しにくい構造になっています。

手押しハンドルが付いておらず、背もたれが低いです。
→そのため、上半身を自由に動かすことが出来ます。

※写真の車椅子は、メンバーのR.Kが普段使用しているものです。


車椅子の整備士の方へインタビュー

Q1.車椅子の整備をするときに気を付けていること、大変なことはなんですか。

本来の性能が発揮できるように、稼働部は特に注視して動きをチェックします。
左右のバランスの均衡をチェックするのも安全面で重要です。

Q2.車椅子を作る際、難しい工程や、心がけていることはありますか。

ユーザー一人一人が体型や障害の程度が違うので、正解がありません。
本人が意識していない動きの部分まで把握しないといけないので、それを引き出すコミュニケーションが一番大事かつ難しいところです。

Q3.整備士になるのに、どのような資格や勉強が必要でしたか。

取り立てて国家資格等は有りませんが、基本的には乗り物が好きで、動作の根拠が分かる知識が必要です。
車やオートバイのレース車両から学ぶ事が多いです!

Q4.競技用と普段使い用の車椅子では作る際、整備する際に注意しなくてはいけない点に違いはありますか。

日常車いすは着座姿勢を重視する様な設定、スポーツ車いすは細かい動きを重視する設定、と目的が違うのでそれぞれの用途に合わせての調整が必要となります。整備面では日常用、採寸面ではスポーツ用が大変な作業になります。

Q5.現状、日本の障がい者スポーツや、それに関わる仕事に関しての問題点はありますか。

問題というよりも、パラスポーツに関わる人たちの知識不足がかなりあると思います。教わる機会があれば、もっともっと車いすのパフォーマンスが上がるはずです。この面に関しては、海外の方が意識が高いと思います。



まとめ

車椅子は、ユーザー一人一人のニーズや障がいに合わせて一つずつ大切に作成されていることを知りました。
安全性はもちろん、使用する人にとって、最高のパフォーマンスを出来るように、車椅子本体の形での工夫や、整備士の方の知識などの技術が詰まっていることが分かりました。



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