ここでは人種差別に関する実態把握のために実施したアンケートの結果をまとめています。
私たちが行ったアンケート調査(以下「調査」と記します)では回答者に対して、差別を受けたことがあるか否かで別々に2つのアンケートを用意してそれぞれ答えてもらいました。
| 対象 | 芝浦工業大学柏中学高等学校(12歳~18歳の男女) |
| 期間 | 2021年11月11日~2021年11月13日 |
| 回答者数 | 207件 |
上記の結果は、「はい」が84.1%、「いいえ」が15.9%となり、これは日本の中高生が人種差別に関する情報に触れる機械がある程度あることを示す結果となりました。
今まで実際に差別を受けたことはありますか?
回答数:174件上記の結果は、差別を受けたことがある人が全体の6.9%、受けたことがない人が全体の93.1%と、少なからず差別を受けた人が日本の中高生に存在することを表す結果となりました。
あると答えた人へ
具体的にどのような差別を受けましたか?
回答数:12件- 手を目に当てて、細くされる。(ーдー)←こういう感じで目が細いことを強調される
- 中国人の親だからといっていろいろな根拠のないことを言いふらされてしまう
- イギリスで、アジア人だから?という理由でウクライナ人から授業中からかわれるなど…アメリカで、買い物中コロナウイルスと言われる。(多分アジア人だから)
差別を受けていた時にどのようなことが支えとなりましたか?
回答には- 「母の助言 毎日の暮らしの全てを大事にしなさい。一部にとらわれないで」
- 「なるべく気にしないようにすること。そういうことを言う人もいるんだなぁと自身で解釈 しようとする姿勢」
- 「誰も助けてくればそうなので無視し続けたことがボロボロな自分を支えてました」
どのように差別を受けている状況から抜け出すことが出来ましたか
回答には- 「なるべく関わらない」
- 「そういう人とは距離を置いた」
- 「日本の立場の思考を持ってるアピールをしたら案外大丈夫でした」
- 「隣の女子がkpopが好きで僕も好きだったので仲良くなれました」
- 「小学校を卒業した」
差別が起きてしまう原因はどのようなことだと思いますか?
回答には- 「優越感や悪ふざけでやってる人もいると思いますが、一番多いのは無意識的な所にあると思います」
- 「昔ながらの風習や自分の上に立つ人の状況。」
- 「自分と人が違うことを良しとしないこと」
- 「肌の色」
- 「人が相手よりも優位な立場になることで起きると思う」
これからどのようにしていけば人種差別は無くなっていくと思いますか?
- 理解できていないけど相手を思いやることはできるので、まずは目に見える差別に繋がりかねない発言や行動を一人ひとりが認知していく必要があると思います。
- 両者が相手を理解しようとすれば少しは収まるのではないかとも私は考える
などのお互いを理解すればなくなるのではないかという回答や
「自分と人が違うところがあっても、同じ人間なのだから、違いを認め合い、『みんな違ってみんないい!』の気持ちで、一人ひとりの意識が変わっていけば、差別はなくなっていくと思う」
という他者との違いを認め合えばよいという趣旨の回答がありました。
しかし、
「自分と人が違うところがあっても、同じ人間なのだから、違いを認め合い、『みんな違ってみんないい!』の気持ちで、一人ひとりの意識が変わっていけば、差別はなくなっていくと思う」
という他者との違いを認め合えばよいという趣旨の回答がありました。
しかし、
- 0にするのは無理だと思う
- 差別はひとがいる限りなくならないと思う
今、人種差別で困っている人たちにメッセージをお願いします
この質問は少しでも差別を受けている人の力になれればと思い、同じ差別を経験した方々からメッセ―ジをもらいました。以下に箇条書きにして紹介します。・いじめてきた奴のなかにはいい奴が結構いるので、自分自身の国籍と国のプライドを捨て去って周りの人と話してみるといいですよ。たった一度与えられた命はチャンス」だから来世があるとかそんなの嘘なんでともに頑張りましょう。
・差別的な行為をしてくる人とは関わらないように。自分らしく楽しく。
・あきらめて、もう一つの生き方を模索しましょう
・周りに助けを求める。
・私は人種差別は受けたことないのであまり言えることはありませんが、自分だけが…と考えずに周りの人にこのことを伝えて精神的に軽くするということがいいと思います。差別に負けず、頑張ってください。
・本当に辛いと思いますが、できることをやって、頑張って耐えてください。
・がんばれ!
・ファイティーン
・まずは自分自身も差別をしないようにしたいし、世界中の一人ひとりの意識が変わることを願っている
・自分のことを理解してくれる人がきっといるからその支えとなる人を探してください!
・自分に自信を持って突き進んでほしい
ないと答えた人に
あなたは差別にどのくらい関心がありますか?
回答数:174件となり、少しでも関心がある人が過半数をしめる 一方で、人種差別について考えたことのない人が少なからずいることも分かりました。
人種差別に関する取り組みをどれぐらい知っていますか?
回答数:12件この質問では、
「なるべく関わらない」
「そういう人とは距離を置いた」
という距離を置くことで解決したという回答や、
「日本の立場の思考を持ってるアピールをしたら案外大丈夫でした」
「隣の女子がkpopが好きで僕も好きだったので仲良くなれました」
などの自分のことを分かってもらうことで、偏見をなくすなどの回答がありました。また、「小学校を卒業した」
などの環境が変わったことで解決した例もありました。
差別が起きてしまう原因はどのようなことだと思いますか?
この質問はひとつ前の質問を踏まえたうえで、どのくらい人種差別についての取り組みを知っているのかを聞きました。この回答は圧倒的に
「知らない」
という回答が多く、人種差別への関心がある割には何も知らないという矛盾が発生していました。その他の回答は「人種差別撤廃条約」
「SDGs」
「公民権運動、ヘイトスピーチ対策法、NPO法人の活動」
など有名な取り組みの名前は知っていても内容は分からないというような回答が目立ちました。
もしあなたが人種差別の被害にあったらどのような対応をとると思いますか
この質問は、人種差別の被害にあったことがない人が考えている対応と、実際の人が行った対応を比較するために答えてもらいました。この質問では「相談する」と「無視する」というような内容の回答が大多数を占め、その他には
「署名運動や法的措置
「警察に訴える」
などの実力行使をするという趣旨の回答もみられました。
自分が加害者にならないようにするにはどのようにすれば良いと思いますか?
「人種差別は自分で意識していなくても、知らず知らずのうちに無意識に人を差別したり、やむを得ない理由で加害者になってしまうことがあります。」ということを前提条件にして、そのようにならないためにどうすればいいのかを考えてもらうために用意しました。
回答はお互いを尊重し合えば防げるというような内容のものが多く、他には、他者とあまりかかわりを持たないというような内容の回答も見受けられました。