クジラ
クジラの特徴
鯨はハクジラ類とヒゲクジラ類に分かれており、ハクジラ類は魚やイカなど、ヒゲクジラ類はオキアミやプランクトンなどを食べる。
鯨が海の中の二酸化炭素を溜めている。
クジラの排泄物は海の食物連鎖において重要な役割を担っており、排泄物による栄養素が海に広がることで、植物プランクトンが発生し、大量の炭素を吸収する。クジラが減るということはこれまで大量に吸収されていた炭素が吸収されずに海に大気に放出されることを意味している
クジラの種類
クジラは大きく2つの仲間(ヒゲクジラ、ハクジラ)に分かれています。現在はヒゲクジラが14種類、ハクジラが72種類の合計86種類のクジラが確認されています。以下では有名なクジラ3種類を紹介していきます。
- クジラの中でも最大で、その体長はおよそ24~30mにもなる。
- 動物プランクトンを主食としている
- 夏は北極海や南極海、冬は熱帯・亜熱帯地域に分布
- 絶滅危惧種に指定されている
(出典:https://as1.ftcdn.net/jpg/03/03/10/82/240_F_303108298_QNusjsvDWc3Q13w0N70z4DkHAl2ts2g8.jpg)
- 歌を歌うクジラとして有名で繁殖期の海域では、オスの個体たちの歌声が海中に響く
- 大型鯨類では唯一の長い胸ビレ、体長の約3分の1を占める頭部、そして背ビレの前がこぶ状に隆起している
- 冬には低緯度の暖かい海で交尾・出産・子育てなどの繁殖活動をして、夏には餌の豊富な高緯度の冷たい海で餌を食べる
(出典:https://as1.ftcdn.net/jpg/04/37/60/44/240_F_437604449_OZDLq5IWoRsiVbwL9zmL07XfS9xDmFz0.jpg)
- 雑食ではあるが特に海綿類を好んで食べている
- 別名「ベッコウガメ」とも呼ばれ、甲羅は鼈甲(べっこう)細工に使用されていた
- 近絶滅危惧種に指定されている
(出典:https://as1.ftcdn.net/jpg/06/18/85/82/240_F_618858233_OH98SFPOsc5VjP1gohBqM8uhIH1sztAg.jpg)
クジラの役割
クジラはオキアミなど大量の動物性プランクトンを消費し、大量の糞を小魚や動物性・植物性プランクトンの栄養分として提供し、物質循環に重要な役割を担っています。そんなクジラには「脱炭素化」という能力があり
■脱炭素化
鯨はハクジラ類とヒゲクジラ類に分かれており、ハクジラ類は魚やイカなど、ヒゲクジラ類はオキアミやプランクトンなどを食べる。
鯨が海の中の二酸化炭素を溜めている。
クジラの排泄物は海の食物連鎖において重要な役割を担っており、排泄物による栄養素が海に広がることで、植物プランクトンが発生し、大量の炭素を吸収する。クジラが減るということはこれまで大量に吸収されていた炭素が吸収されずに海に大気に放出されることを意味している
クジラの問題
かつて捕鯨が行われたために数が激減したこともあり、絶滅が心配されるようになってから捕鯨の規制の動きが見られ、商業捕鯨は世界で中止されました。
地球温暖化が進むと、南極海に生息するクジラが真っ先に絶滅すると考えられている。
また、南極で氷床の流出を止める栓の役割を果たす大陸周辺の棚氷の面積が縮小すると、氷床が一気に崩壊していく恐れがある。
そうなれば、周辺海域の塩分濃度や水温が大きく変化し、南極海の生態系を支える植物プランクトンの増殖やアイスアルジー(冬季に浮氷下に発達する藻類のコロニー)の形成が阻害される。その影響はオキアミに及び、クジラをはじめオキアミに依存する多くの野生動物に波及するのは必至でしょう。。
これらが原因でクジラが減り、生態系のバランスが崩れてしまうのです。
捕鯨の歴史
捕鯨の歴史は古代にまで遡ります。古代の捕鯨は、湾内に紛れ込んで動けなくなったクジラを捕っていましたが、弥生時代以降になると、生活を安定させるため捕鯨へと移行していきました。
日本の近代捕鯨は、明治32年(1899)導入の「ノルウェー式捕鯨」(※1)で始まりました。しかし、各国の大規模な捕鯨により、世界中のクジラ資源が激減してしまい、国際捕鯨委員会(IWC)による商業捕鯨モラトリアム(※2)を受け入れて捕鯨から撤退しました。その後、平成31年(2019)7月1日に水産庁より、鯨類の持続的な利用が確保できる程度の捕獲枠が発表され、捕鯨が31年ぶりに再開されました。