ウミガメ

こんにちは!僕はウミガメ。亀は万年って言葉があるように僕たちはとても長生きさ!!でも、寿命でなくなるよりもゴミを食べたり、海に漂う網に引っかかって死んでしまう亀の方が多いんだって...。僕もこの前、間違ってゴミを食べそになって焦ったよ...(汗)

ウミガメの寿命

種類にもよりますが、長い寿命を持っています。100年、あるいは200年もの間生きるウミガメもいて、日本では長寿の象徴となっています。ただ、ウミガメを取り巻く環境は過酷で、必ずしも寿命を全うできるわけではありません。現在では数を減らし、全ての種類が絶滅の危機に陥っています。

ウミガメの種類

世界には7種類のウミガメがいます(ウミガメ科6種とオサガメ科1種)。乱獲や生息域の環境の変化などにより個体数が減少しており、7種のうち6種が絶滅危惧種に指定されています(残り1種は情報不足)。 そのうち、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイが日本の砂浜で産卵します。以下ではその3種類を紹介します。

アオウミガメ
  • 草食系で、海藻や海草を主食としている
  • 世界で2番目に大きいカメ
  • 浅い海に生息し、ある程度の大きさになるまで海面近くで生活する。夏にかけて砂浜に上がり、産卵する。
  • 絶滅危惧種に指定されている

(出典: https://as1.ftcdn.net/v2/jpg/05/14/04/84/1000_F_514048400_JQ7sxEHR6E1OhsKGYvQ5n03VnPrWRdCw.jpg)

アカウミガメ
  • 肉食系でエビやカニなど甲殻類を主食としている
  • 顎と頭部が大きく発達している
  • 絶滅危惧種に指定されている

(出典:https://as2.ftcdn.net/v2/jpg/03/96/55/07/1000_F_396550773_Wd61RyBwMQKE1KmtO0yN4WOgeQF9zqKL.jpg)

タイマイ
  • 雑食ではあるが特に海綿類を好んで食べている
  • 別名「ベッコウガメ」とも呼ばれ、甲羅は鼈甲(べっこう)細工に使用されていた
  • 近絶滅危惧種に指定されている

(出典:https://as2.ftcdn.net/v2/jpg/00/42/38/17/1000_F_42381745_2R5tGnw3zT1HOlAwZmGZgrDGv1lFQfBI.jpg)

ウミガメの生育環境

図1はウミガメの生息地を表した図です。図から分かるように赤道付近の比較的暖かい海(熱帯・亜熱帯水域)で生活しています。

(出典:https://www.homemate-research-aquarium.com/useful/13873_aquar_058/)

ウミガメの性別は遺伝ではなく、生まれた時のその環境の砂の温度で決まります。オスとメスの境界となる温度は29度で、孵化した時の温度が28度以下の場合はオスに、30度以上の場合はメスになります。ちょうど29度の時はオスとメスの確率が半分になります。現在は地球温暖化の影響により、気温や海水温、砂の温度が上昇しておりメスがたくさん生まれるという状況が発生しています。

ウミガメの役割

①陸上の生態系に貢献

陸から海へ栄養が運ばれることによって豊かな海が育つ一方で、 海の栄養を陸へ戻すという循環が生態系を健全に保っています。 ウミガメも産卵を砂浜でおこなうため、海から陸へ栄養を運ぶ役割を担っています。

②魚類の豊富な海を守る

人が魚を採りすぎたせいか、海では競争相手のいなくなったクラゲが増えています。 ウミガメはクラゲを食べることで、結果としてクラゲが食べてしまう魚の卵や幼生を守っています。

③サンゴ礁の生態系の多様性を守る

毒を持つカイメンは、サンゴ礁生態系の生存競争で勝ち残り繁茂しやすい種類です。 ウミガメの1種であるタイマイがカイメンを食べて取り除くことで、 サンゴなど他の生物がサンゴ礁生態系の中で繁殖できるようになります。

④健やかな藻場を守る

海草・海藻が茂っている藻場は水質浄化や稚魚を育む重要な役割があります。 藻場はカイソウが茂ると動きがなくなり不健康な状態になりますが、 それをアオウミガメが食べて間引くことによって動きが生まれ、健全な状態が保たれます。

ウミガメを取り巻く問題点

①ウミガメの乱獲

現在でも、ウミガメは様々な国で食用もしくは装飾品などとして乱獲されています。成体のウミガメだけではなく、浜に産卵した卵を食用としているところもあります。

②漁業

現在でも、ウミガメは様々な国で食用もしくは装飾品などとして乱獲されています。成体のウミガメだけではなく、浜に産卵した卵を食用としているところもあります。

ウミガメ保全のための取り組み

①取引(売買・譲渡)規制

ウミガメは「種の保存法」において、国際希少野生動植物種に指定されており、生 きた個体だけでなく剥製やその一部についても、販売・頒布目的の陳列や、譲渡し等 (あげる、売る、貸す、もらう、買う、借りる)は原則として禁止されています

②採取・捕獲の規制

自然公園法:国立公園、国定公園の特別保護地区では、ウミガメの捕獲、卵の採取が禁止されて います。また、特にウミガメの産卵地として重要な西表国立公園、霧島屋久国立公園 ・屋久島地域、沖縄海岸国定公園・慶良間地域においては、特別地域内においても捕 獲・採取が禁止されています

水産資源保護法及び漁業調整規則並びに海区漁業調整委員会指示:水産資源保護法において、ヒメウミガメとオサガメの捕獲が禁止されています。ま た、同法に基づき都道府県が個別に定める漁業調整規則や海区漁業調整委員会指示に よりウミガメ(アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ)の捕獲は、同委員会の承認 が必要となっており、地域的・伝統的な利用や研究調査・増殖の目的でのみ承認され ることになっています。

ウミガメ保護条例:ウミガメの保護に力を入れている都道府県や市町村の中には、独自に条例を定め、 捕獲や卵の採取を禁止しているところがあります。また、海岸への車の乗り入れの自 粛、監視員制度、普及啓発施策等について規定されることもあります。

文化財保護法及び文化財保護条例:一部の地域では、ウミガメとその卵や産卵地が天然記念物に指定されています。そ のような地域では、ウミガメの捕獲や砂浜の改変などは天然記念物の現状変更に当た り、文化庁や教育委員会の許可が必要になります

②漁業

自然公園法:自然公園法では、ウミガメの保護上必要と判断された海岸等で区域を指定して車の 乗り入れを禁止しています

海岸法:海岸法では、海岸管理者(知事や市町村長)が指定した区域内において、車の乗り 入れを禁止できることになっています。

③ウミガメ保全のための取り組み(国際的な取り組み)

ワシントン条約:野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、 採取・捕獲を抑制して、間接的に絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的としています。ウミガメ類は全種が附属書Ⅰに掲載されて、加盟国は原則 的に商業取引が禁止され、それ以外の場合においても、輸出国、輸入国それぞれの 管理当局の許可証が必要となります。日本は1980年に57番目の加盟国となった際、 国内産業保護等の理由からタイマイ、アオウミガメ、ヒメウミガメに留保を付して しばらく輸入を続けましたが、現在では商業的輸入を禁止しています。

ボン条約:複数の国にまたがり移動する動物とその生息地を直接保護することを目的とした枠 組み条約で、各生息国の政府間の取り決め(国際協定、合意事項の覚書、行動計画)を推進します。絶滅の恐れのある種を附属書Ⅰに、国際協定の対象となる種を 附属書Ⅱに掲載し、移動を確保するための生息地の保全・回復や外来種の制御など を加盟国に求めます。ウミガメ類は全て附属書Ⅰに掲載。特に21世紀はじめの5年 間はウミガメ類を重点種として、「インド洋および東南アジアにおけるウミガメ類 とその生息地の保護と管理に関する覚書(2001年締結)」や「アフリカ大西洋岸に おけるウミガメの保護対策に関する覚書(1999年締結)」が発効しています。