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あなたはAIとはどういうものなのか知っていますか?
「AIってどんなもの?」と聞かれてもしっかりと説明できる人は少ないのではないでしょうか?
目次
1. AIとは
2. AIの歴史
3. AIのできること
4. AIの活用の仕方
5. AIの問題と課題
6. AIに対する考え方
7. クイズ
AIとは
AIについて具体的に説明できる人が少ないのには理由があります。
それもそのはず、AIにはまだ統一された明確な定義がありません。
しかし、一般的には学習、問題解決、判断、創造などの人間が持つ知的な活動をコンピュータや機械に模倣させたり、代行させたりする技術と説明されます。
多くの研究者や専門家がそれぞれの立場からAIを定義していますが、人工的に作られた知的な振る舞いをするものという点が共通しています。
AIとコンピュータ
さて、AIは人間のような知的な活動を模倣する技術だと説明しましたが、ここで重要なのは、この知的な活動を担うのはコンピュータや機械だということです。
簡単に言ってしまえば、コンピュータはAIを実現するための道具であり、AIはコンピュータという道具の上で動く機能なのです。
この関係を自動車で例えてみましょう。
コンピュータは自動車の車体やエンジンの部分に当たり、走るための土台となります。
AIはその車体に乗って交通状況を判断し、最適なルートを選んで運転する運転手の部分に当たります。
AIの情報源
AIが文章を生成する仕組みは、人間のように理解や思考をしているわけではなく、実際には、学んだパターンから次に来る言葉を予測しているだけです。
その元になるのが、インターネット上のテキストです。
インターネット上のニュースやブログ、論文などのウェブサイトの文章を取得しています。CopilotやGeminiといったモデルでは検索エンジンと連携しているため、最新の情報も取得できますが、AIのモデルによっては過去に学習した情報しか使えないため、最新ニュースには対応できません。
また、文章を細かく「トークン」に分解し、次に出現する言葉の確率を計算する仕組みも取り入れられています。この仕組みは、Googleが開発したTransformerという技術によって実現されています。
AIはこれらの学習データに基づいて答えているので、間違った情報や古い情報を出すこともあります。例えば、存在しない論文や施設、人物を有名だと説明することなどが挙げられます。
これは、「学習データのパターン」に沿ってそれっぽい答えを予測しているからこそ起こる問題です。
スクレイピング技術
Webデータにおけるスクレイピング技術とはウェブサイトから特定の情報を自動で抽出し、データとして収集・加工する技術のことです。
人手では収集が困難な膨大なデータも、スクレイピングによって簡単に取得できます。
スクレイピングと間違えられやすいものにクローリングという仕組みがあります。
スクレイピングは特定のWebページから必要な情報を抽出する行為そのものを指すのに対して、クローリングはWeb上のページを巡回してリンク先をたどって情報を収集する仕組みを指し、検索エンジンのインデックス作成などに用いられています。
AIの歴史
突然ですが、AIがどのように発展してきたのかを知っていますか?あまり知らないという方が多いと思います。ここでは、AIの誕生から現在までどのようなことがあったのか詳しく見ていきます。
AIの起源
1950年アランチューリングが論文で機械は考えることはできるか?という問いを提起し、チューリングテストを提案しました。これがAIの概念の起源の一つとされています。
第一次AIブーム(1950年代後半~1960年代)
迷路の解き方や定理の証明など、特定のルールが明確な問題をコンピュータが解くことができるようになり、AIの春とも呼ばれました。しかし、現実の複雑な問題には対応できないことが判明し、期待がしぼんで冬の時代に入ります。
第二次AIブーム(1980年代~1990年代半ば)
エキスパートシステム(専門家の知識をコンピュータに投与して活用するシステム)が中心となり、実用化が進みました。しかし、知識を言語化することや知識が増えることでシステムの維持が困難になるなどの課題が見え始め、再び冬の時代を迎えました。
第三次AIブーム(2000年代~現在)
機械学習、特にディープラーニング(深層学習)の登場により、AI技術が飛躍的に発展しました。特に、特徴量(データを判断するための要素)を人間が与えるのではなく、AI自身がデータから自動で学習する技術が革新的でした。
ビッグデータと計算力の向上がこのブームを支えています。
2016年:GoogleのAlphaGoが囲碁の世界トップ棋士を破る。
2017年:Transformerというニューラルネットワークの新しいフレームワークが提案され、後の大規模言語モデルの基礎となる。
2020年:GPT-3などの大規模言語モデルや生成AIが登場し、社会に大きなインパクトを与えた。
そして現在、AIは私たちの生活や産業に大きく関わるようになり、今後の進化に大きな注目が集まっています。
AIのできること
現代のAIにできることは多岐にわたりますが、中心となるのは認識予測・判断生成の3つです。そして、これらの技術は意外とみなさんの身近なところで活用されています。
認識
AIは、大量のデータからパターンを学習し、人間のようにさまざまな情報を認識できます。
画像認識・動画認識
画像や動画に何が写っているか(人、車、動物など)を識別することができます。画像認識・動画認識は防犯カメラから不審な動き検出したり、医療分野でX線MRI画像から病変を検出するサポートなどに使われています。
音声認識
人間の発話内容を正確に聞き取り、テキストに変換することができます。音声認識はスマートスピーカのSiriなどに使われています。
自然言語処理
人間が日常で使う言葉(文章)の意味や文脈を理解することができます。自然言語処理はみなさんご存知Googleの検索エンジンやチャットボットなどに使われています。
予測・判断
AIは、膨大なデータを分析し、未来の出来事を予測したり、最適な行動を判断することができます。
データ分析・需要予測
過去の売り上げデータや天候データなどから、商品の需要を予測し、在庫管理を最適化することができます。また、株価や市場の動向を分析する時にも使われています。
レコメンド
ユーザーの過去の行動履歴や好みに基づき、次に興味を持ちそうな商品やコンテンツを提案することができます。YouTubeのおすすめ機能などでも使われています。
機械制御・最適化
自動車の自動運転技術に使われ、周囲の状況を判断し、安全な走行を制御することができます。また、エアコンが室温や人の活動量に応じて、運転モードを自動で最適化する時にも使われています。
生成
近年最も注目されているのが生成AIによるコンテンツの創造です。みなさんも一度は使ったことあるのではないでしょうか。
文章生成・要約・翻訳
テーマを与えると、ブログ記事やメール文、小説などの文章を自動で生成することができます。また、長文を短くまとめたり、異なる言語に変換することもできます。
画像・動画生成
テキストで指示するだけで、イラストやリアルな風景画などを新しく作り出すことができます。最近は、企業の広告でもAIによって生成された動画が使われるほどです。
音楽生成
ジャンルやムードを指定するだけで、オリジナルの楽曲を自動で作曲してくれます。最近では、AIによって作り出された曲がYouTubeやTikTokなどで流行することもあります。
プログラミングコード生成
作りたい機能や用件を伝えるだけでプログラムのコードを自動で作成・提案できます。現代では、ゲームエンジンの普及によって、AIで簡単にクオリティの高いゲームを作ることができます。
AIの活用の仕方
今、急速に普及しているAIですが、あなたは上手に活用できていますか?AIを最大限活かすためには、その特性を理解し、的確な指示を出すことが重要です。
明確で具体的な指示
AIの出力の質は、人間の指示(プロンプト)によって決定されます。
• 役割を与える。例:あなたは経験豊富なディレクターです。
• 目的・期待する出力を明確にする。例:目的は若者向けのSNSの投稿を作成すること。出力は300字以内の文章と、#3つです。
• 制約条件やフォーマットを指定する。例:箇条書きで3点挙げること。このテキストを読んで、最も重要な部分を要約してください。
AIが「できないこと」「苦手なこと」を理解する。
AIは万能ではないので苦手な作業は人間が行うほうが効果的です。
• 感情・倫理的な判断:AIは感情や価値観に基づいて判断することはできません。最終的な倫理的・道徳的な判断は人間が行うべきです。
• 最新の情報やニッチな情報:極めて新しい情報や専門性の高いニッチな情報は、学習データに含まれていない可能性が高いので、情報の正確性が低い場合があります。
フィードバックを与えて学習させる
対話型のAI(チャットボットなど)は、人間とのやり取りを通じて、出力の精度を高めることができます。
・修正の指示を出す。例:「もっと短くしてください」「この部分をもっと詳しく説明してください」「前の回答ではAという情報が抜けていました。それを加えてください」
・好みを学習させる:AIがあなたの文体や好みを理解するまで、継続的にフィードバックを送ることで、よりパーソナルなアシスタントになっていきます。
AIの答えは絶対的ではない
事実や専門的な情報に関しては、AIの出力には誤情報が含まれている可能性があります。間違ったことでも、あたかも本当のことのように表示されるため、そのまま鵜呑みにせず、一次情報を確認するなど、必ず信頼できる情報源で裏付けを取ることが大切です。
AIに頼りすぎない
あなたは宿題や、レポートなどをAIに頼っていませんか?なんでもAIに任せてしまうと、考える機会を減らしてしまうことに繋がります。
セキュリティと著作権に配慮する
AIを利用する上で、法律やプライバシーに関する知識も不可欠です。AIに機密情報や個人情報を入力すると、情報漏洩などのリスクがあるため絶対に入力しないようにしましょう。また、AIが出力した文章や画像を利用する際は、その利用規約や著作権上の取り扱いを確認した上で利用しましょう。AIの学習データ元によっては著作権上の問題が生じる可能性があります。
AIの問題と課題
AIの急速な進化に伴い、さまざまな観点から深刻な問題や課題を引き起こしています。
倫理とバイアスの問題
AIは学習したデータに存在する人間の偏見や差別をそのまま学習し、その偏見を反映した判断を下す場合があります。例えば、採用選考AIが特定の性別や人種の候補者を不当に低く評価してしまうことがあります。
フェイクコンテンツの拡散
生成AIによって、本物と見分けがつかないほど精巧な偽の画像、音声、動画が簡単に作れてしまいます。皆さんも著名人利用された投資の詐欺広告を見たことがあるのではないでしょうか。このように、詐欺や世論操作に悪用されてしまう恐れもあります。
法的責任
例えば、AIが使われた自動運転車があるとしましょう。もし、その車が事故を起こした場合、その法的な責任を誰が負うのでしょうか?AIの判断によって問題が生じた際は、誰が責任を負うのか明確になっていません。法整備が追いついていないのが現状です。
AIに対する考え方
日本
2025年9月1日に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(通称:AI法)を全面施行しました。
この法律は平成31年3月29日の統合イノベーション戦略推進会議決定に示されたAI戦略などを政策的背景として、その基本的考え方を抽象化・一般化し、法的根拠として位置づけたもので、以下のような「人間中心」の原則を基盤としています。
・人間中心
AIは人間の基本的人権を侵害しない。
・安全性とセキュリティ
AIシステムのセキュリティ確保と、個人情報の慎重な管理。
・透明性とアカウンタビリティ
AIを利用した企業や組織には、決定過程の説明責任が求められる。
・公平性と公正競争
誰もがAIを利用できる環境を整え、公正な競争環境を維持する。
・イノベーションと社会実装
研究開発を推進し、経済発展と国民生活の向上を目指す。
日本はAIを国家戦略上重要な技術と位置付け、イノベーション促進とリスク対策の両立を目指していますが、国民や企業の意識改革と迅速な社会実装が今後の大きな課題となっています。
世界
EU
「EU AI Act」のような法的拘束力を持つ強固な規制を導入し、リスクベースのアプローチを採用しています。
特定の高リスクなAI(公共空間でのリアルタイム顔認識など)の使用は原則禁止されています。
米国
EUのような包括的な法規制よりも、むしろ産業界の自主的なガイドラインや個別の法執行を通じて柔軟に対応する傾向があります。
中国
国家主導で大規模な投資を行い、技術開発を推進しています。また、データ保護や偽情報対策など、国家管理の観点から厳格な規制を導入しています。
G7
国際的な協調が進んでおり、生成AIの開発者が守るべき国際指針や行動規範「広島AIプロセス」で合意しています。
クイズ
ここでは About の内容からクイズを出題します。
全問正解目指して頑張ってください!
難易度:普通
第1問
AIの定義は?
多くの研究者や専門家がそれぞれの立場からAIを定義していますが、人工的に作られた知的な振る舞いをするものという点が共通しています。
第2問
第三次AIブームでAIが飛躍的に発展した理由は?
人間がデータを与えるのではなく、AI自身がデータから自動で学習する技術が革命的だったようです。
第3問
AIのできることは?
難しそうに見えるものもありますが、実はみなさんの身の回りで活用されています。
第4問
レポートや感想文はAIに任せるのが良いか?
全てをAIに任せると、考える機会を減らしてしまうことにつながります。考えることはとても大切です。AIはあくまでも補助として使うことが大切です。
第5問
AIになんでも話していいか?
AIに個人情報や機密情報を話すと漏洩の可能性があります。