このサイトでは「生活」に利用されている放射線について、基礎知識や利用方法などの情報をわかりやすく紹介しています。
放射線についての理解を深めていただくことが私たちの願いです。

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1.工業の利用 2.医療の利用 3.農業の利用

3.農業の利用

ジャガイモトマト

◆ジャガイモ

ジャガイモは長期間放っておくと芽が生えて、毒を作り出します。低温で保存するのも発芽を防ぐ方法ですが、放射線を使うことによって低温でなくても発芽を防ぐことができます。

どのように使うか

利用の仕方は非常に簡単で、ジャガイモに放射線(γ線)を当てるだけです。ジャガイモの発芽細胞が死滅して発芽できなくなるだけでなく、殺菌もまとめてすることができます。もちろんジャガイモが放射能を持つことはありません。

日本はジャガイモ以外の食品へ放射線の照射を認めていませんが、外国ではすでに香辛料から穀物まで、幅広い食品への照射が認められています。

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芽の出たジャガイモ

 

◆トマト

かつて沖縄に生息し、トマトやピーマン・パパイヤなど様々な作物に卵を産み付けた害虫ウリミバエ。このハエの根絶に不妊虫放飼法という放射線を使う方法が用いられました。

どのように使うか

まずウリミバエのさなぎに放射線(γ線)を当てます。これにより、ウリミバエの生殖器を破壊したり、異常を起こさせることができます(不妊化)。あとはこのウリミバエを野外に放してしまうだけです。

「こんなことをして大丈夫なの?」と思ってしまうかもしれませんが、不妊虫が野生虫と交尾した卵は孵化しないので、次世代のウリミバエを減らすことができます。これを繰り返すことによってウリミバエの数をさらに減らし、根絶させることができます。

このおかげで沖縄県からウリミバエは完全に根絶されました。

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ウリミバエが減っていく様子

画像提供:沖縄県病害虫防除技術センター(http://www.pref.okinawa.jp/mibae/index.html

 

◆梨

病気や害虫に強い作物を作るために品種改良は欠かせません。放射線は品種改良のために利用されることがあります。

 

どのように使うか

動植物の進化は自然放射線が細胞のDNA傷つけた時に起こった突然変異が主な理由です。ガンマーフィールドという施設では、植物に放射線(γ線)を当てることによって故意に突然変異を起こさせて、品種改良を行います。

たとえば「ゴールド20世紀」は、ガンマーフィールドで見つかった黒斑病に強い20世紀なしから生まれたものです。利用はそれだけでなく、アレルギーの起きにくい作物や、色の異なる花、イネ・小麦など、私たちの生活に広く浸透しています。

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黒斑病にかかった梨

画像提供:陣平農園(http://homepage3.nifty.com/jindaira/index.html

 
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