同位体


同位体


原子番号が等しいけれど、中性子の数が異なり質量数が異なるものを同位体といいます。
例としてウラン原子を用いるとすれば、
ウラン原子には陽子が共通して92個存在しますが、
中性子の数が142個と143個の、146個のものがあります。
中性子と陽子の数を合わせた数を質量数といい、
ウラン原子の質量数は234(=92+142)、235、238の3種類が存在するのです。
これらを順にウラン234、ウラン235、ウラン238と呼び、
重さは多少違いますがウランであることに変わりはありません。

これらを互いに同位体というのです。
放射線を出す同位体を特に放射性同位体といい、
これは陽子と中性子の数のバランスが不安定です。


崩壊系列


不安定な放射性原子核が放射線を出しながらより安定な原子核に変化していくルートを
崩壊系列といいます。
自然界ではおもに3ルート有りますが、以下ではよく聞く2ルートについて説明します。

ウラン系列


ウラン系列はウラン238を親核種とする系列で、
ラジウム226やラドン222などを経て安定な鉛206になります。
この系列は質量数がすべて4n+2なので、別名4n+2系とされています。
この系列の中にウラン238、ウラン234がありますが、
これらは親核種と娘核種の関係になっています。 親の半減期が娘の半減期より遙かに長いから、
これらの2核種の間には永続平衡関係が成立しています。
この関係によって、
この系列に属する放射性核種は原子数に関わらずにすべて放射能の強さが等しいのです。
――ウラン系列表


トリウム系列


トリウム、アクチニウム、ネプツニウム、ウランなどを親核種とする系列崩壊では、
α崩壊とβ崩壊を何度も繰り返しながら徐々に質量を減少させていきます。
α崩壊では質量が4減少します。(詳しくは『崩壊』へ)

「トリウム系列」は別名4n系列と呼ばれ、
トリウム232がα崩壊6回、β崩壊を4回して鉛の同位体208になります。
――トリウム系列表