磁界共鳴方式

 磁界共鳴方式は他の方式に比べ距離の長い電送が必要な際に用いられます。
 方式の考案者は当時MIT助教授のマリン・ソウリャチーチという人で
 
 2007年6月に彼の所属する研究チームで二メートルの非接触電力電送に成功しています。
 そのときに使われた方式こそがこの磁界共鳴方式なのです。

 また機械の分野を抜きした原理の部分だけに焦点を当てれば、
 この方式は共鳴現象そのものといっても過言ではありません。

 この方式について理解を深めたい場合はこの項を読む前に、
 電気の共鳴という項目を見ることもおすすめします。

原理

 この方式の原理は電力を送る側と受け取る側にコイルとコンデンサを使用し、
 コイルを共振機にして、電流をながすことにより周辺に磁場を形成することです。
 
 そして発生した磁場の振動が同周波数で受け取る側のコイルに伝わらせ、
 伝わった周波を整流回路により直流に変換して電力にします。
 図で簡単に表すと以下のようになります。
 
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効率について

 電力電送をする際、効率の良さは重要な条件なので説明しておきます。

・共鳴現象を積極的に利用する
 
 具体的には送電側と受電側の共振周波数を合わせることに
 よって共振するまでのロスが少なくなり電力の無駄を減らすことができます。

・送電側には高周波電力を流す。

・コイル間の結合力を高くする

 結合の強さを高めることで電波方式程ではないもののある程度の遠距離伝送が可能になります。

利点

 以上の利点をまとめておきます。

 ・電磁誘導方式よりも長距離電送することができる
 ・送電側の付近の電界の中に入っていれば、ある程度の距離で高効率伝送が可能
 ・障害物あったとしても電力伝送可能
 ・結合係数が0のときでも電力伝送が可能
 ・精密な機器を必要としない分異物混入に強い


課題

 ・電磁波のもれる可能性があるため安全点の問題
  電磁波は電波に関する法律で規定されているので運用にあたっても注意が必要です。

 ・小型高効率が難しい

 ・安全の問題から使える周波数が限られている
 

 という課題があります。



【参考】

IT用語辞典バイナリ

EE Times Japan

非接触電力輸送-wikipedia






 
 
 

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