TOP現代に見る東西空間の区切り方





 西洋と東洋では空間の「境界」に対する認識が全く異なり、その様子は現代にも如実に表れています。西洋人は空間を仕切るときははっきりと「壁」を設けて、物理的に区別します。それに対して東洋人は、はっきりとした境界がなくても、意識的に境界線を認識しています。


 西洋の家は四方が壁で囲まれていて、外の世界とは物理的に遮断されています。そしてその壁の存在で、人々はその「壁を超える」ことで違う空間に入ったのだとわかりやすく認識することができます。これは教会などの建物にも同じことが言えます。

   一方東洋ではその温暖な気候のため、庭がつながっているなど開放感のある家が多くなっています。しかし、たとえば「玄関を上がると靴を脱ぐ」という習慣は東洋では見られますが西洋にはありません。この行動は「外」から「内」に入ったことをわかりやすく表し、東洋人がそこに境界を認識しているとわかります。さらに門や橋、日本では神社の鳥居なども、壁のように物理的な境界はありません。それでも「門や橋の向こう側は神聖な場所である」という認識を持ちます。

 つまり東洋では空間は物理的につながっていても心理的な境界があり、西洋では壁という物理的な境界によって空間を区別しているのです。

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