Let's think of ENERGY!!

   

ユッピーと茶実子のエネルギー見聞録

@大分県(日本)

・九重町

 九重町のエネルギー自給率は2323.13%(2015年、『永続地帯2015 年度版報告書』)。日本の市町村の中で一番高いんだって!火山や温泉が多いことを活かして、地熱発電所がたくさん建っているよ。発電所によっては町が熱使用料をもらえて、町の人々の暮らしを豊かにしているんだ。

 九重町の人口は約1万人。全国の市町村で一番人口の多い神奈川県横浜市は約373万人(ともに2016年、総務省HPより)で、九重町の人口が少ないことがわかるね。必要なエネルギー量が少ないこと、地熱利用率の高さが、九重町や大分県のエネルギー自給率を上げているんじゃないかな?

・別府市

 別府市の杉乃井ホテルでは、杉乃井地熱発電所を所有しているよ。発電した電力はホテル内で使われているんだって。地産地消ってまさにこのこと!

 

A台湾

 2016年10月、高校の海外研修プログラムで台湾に行ってきたわ!台湾大学と台北市立第一女子高級中学(以下台北一女)を訪れた際には、環境問題、特に再生可能エネルギーをテーマに、ディスカッションをしたの。

 グラフから分かるように、台湾は日本と同様主要エネルギーが化石燃料で、再生可能エネルギーの普及が進んでいないみたい。日本同様、化石燃料の自給率も低く、両国は共通のエネルギー問題(@自給率が低い、A化石燃料の燃焼による温室効果ガス排出)を抱えているわ。そこで私たちは「地産地消型」のエネルギー利用を提案したの。

 台湾の学生には、エネルギーの「地産地消」は環境にも地域活性化にもつながる良いアイデアだと賛同してもらえたわ。また、台湾のエネルギー問題の解決の糸口として、太陽光発電に期待ができるだろうと意見を述べてくれたの。

 台湾の太陽光パネルの生産はなんと世界第二位!とはいえ、現状では2013年における台湾の発電量のうち、再生可能エネルギーが占める割合はわずか2%で、廃棄物発電、風力発電がそのうちの約9割を占めているんだって。2014年9月に台湾政府は2030年に向けての再生可能エネルギーの導入目標として、2030年には再生可能エネルギーの発電量に占める割合を11%とするとしたの。そんな中注目される太陽光発電は、温暖で赤道に近い台湾の地形と気候に適しており、私たちも街中で太陽光パネルが設置された建物を目にしたわ。

 これはまさに、再生可能エネルギーの「地産地消」だと言えるわね。

  

↑台湾総督府前の通りには、小さなパネルがいくつも並んでいるわ。

 しかしそれでも発電量に占める割合が大きくない理由は、一般家庭に太陽光パネルが普及していないからなのだそう。台北一女の生徒はこの原因について、台湾の人々のエネルギー問題に対する意識の低さを指摘していたわ。省エネを推進する政府の補助金があっても、知らなければ意味がないわね。日本においても、東日本大震災による原発事故などを通し一定程度の関心は集まっているものの、エネルギー問題はまだまだ身近に感じにくいのかも。私たちが率先して情報発信をしていくことが大切だと改めて感じたわ。

  

 

Bドイツ

 

*エネルギーバランス作業グループ…ドイツのエネルギー関係業界の7団体および関係する3つの研究機関が設立した団体。

 ドイツは環境先進国!2025年までに国内の全ての原発を停止して、2050年までに電力の80%を再生可能エネルギーでまかなうことを目標にしているんだ。そんなドイツで環境都市として最も有名な2都市を紹介するよ!

 

フライブルグ市人口約22万人 面積153ku

 1992年にドイツ国内の自治体コンクールにおいて最高得点を獲得して以来、環境首都として有名になったよ。「ソーラーシティ」から「環境先進都市」、「グリーンシティ」へとスローガンを変化させ、環境都市のモデルであり続けているんだ。

★エネルギー政策

 1986年4月にチェルノブイリの事故が発生すると、フライブルク市議会は翌5月には、化石燃料や原子力に依存しないことを市議会で決議したんだって。1996年には、太陽光・太陽熱利用を促進する「ソーラーシティ・コンセプト」を立て、市内の電力消費量の10%を再生可能エネルギーとすることを決定したよ。フライブルクは温暖で年間日照時間が1800時間を超えるから、太陽光発電に非常に適していて、固定価格買い取り制度により太陽光パネルの普及に成功したんだ。そして地域暖房・コージェネレーション技術の推進により、市内の電力の50%を自給(2010年)したよ。建築の工夫や徹底した節電による省エネも行っているんだって。まさに、エネルギーの「地産地消」を実行している都市だね!

★交通政策

 自動車の排気ガスを抑制するために、公共交通機関を格安で利用できる「地域環境定期券」の導入や、「パークアンドライド」を行っているよ。

 *パークアンドライド…都心への車の乗り入れを規制し、車の渋滞解消や排ガス量を制限することが目的。郊外の自宅から都心の会社や買い物に行くためには、まず車で都市郊外の駅前やバス停近くにある駐車場まで行って車を置き(パーク)、そこから電車やバスに乗り(ライド)、都心に行くことになる。日本でも各地で取り入れられている。

★ゴミ対策

 色分けされたゴミ箱で分別回収を徹底しているよ。またゴミを出す量と回数によって決まる「ゴミ料金」を設けることで、住んでいる人たちになるべくゴミを減らそうとするようにしてもらっているんだって。生ごみはメタンガスとして発電に利用しているんだ。

★環境教育

ドイツ環境自然保護連盟(BUND)を中心として、環境教育に力を入れているよ。

 

シェーナウ町人口約4600人 面積22.49ku

 チェルノブイリ原子力発電所事故後の反原発運動をきっかけに、市民が自ら電力会社を立ち上げ、原子力から再生可能エネルギーへとエネルギー転換することに成功したんだ。市民は地元の電力会社からの妨害を受けながらも、1997年に電気の配給網を買い取り、2011年には、なんと配給電力の約95%を再生可能エネルギーで、残りの5%を天然ガスなどでまかなっているよ!

 こうしてシェーナウのモデルは地域分散型の電力供給のお手本となったんだって。また1998年にドイツは電力市場の完全自由化を実現。顧客は自分で電力供給会社を選べるようになって、原発以外からの電気、環境にやさしい電気を求める人たちが増えていったんだ。シューナウ市民による電力会社もドイツ全国で環境にやさしい電気の供給をアピールし、多くの人がその顧客となったよ。

 2011年には電力会社の経営責任者で、市民運動のリーダーだったウルズラ・スラーデックさんが、グリーンノーベル賞と言われているゴールドマン環境賞を受賞したよ。市民の力ってすごい!

 

<ドイツ人は環境に対する意識が高い!?>

茶実子「ドイツに留学経験のある同級生に聞いてみたわ」

Q.日本との違いは感じられましたか?

A.感じました。

ドイツの家ではなるべく照明をつけないようにして節電、学校のゴミ箱の分別がきちんとなされている上、スーパーマーケットや街頭のゴミ箱の近くにはリサイクルボックスが設置されている等様々な取り組みがなされていました。このような取り組みに、大人はもちろん、子供達や学生も積極的に協力しており、ドイツでは小さい頃からいわゆる「環境教育」が行われていることを実感し驚きました。

Q.印象的だった取組はなんですか?

A.デポジット制度です。

デポジット制度とは、消費者がデポジット込みの料金で飲料を購入して、空の容器を店に返却すると払い戻しを受けられる制度です。私はドイツの学校で飲料を買ったときになぜかいくらかお金が帰ってきてとても不思議に思い、ホストシスターに理由を尋ねたところ、この「デポジット制度」について詳しく教えてくれて、とても驚き、感動した覚えがあります。

  

 

Cニュージーランド

 ニュージーランドの再生可能エネルギー利用率はなんと72%!日本の5%と比べるとその差は一目瞭然だね。えーと、電力エネルギー源の内訳は…

 じゃあ、ニュージーランドの再生可能エネルギー源利用成功の原因は一体なんだろう?

★人口

 ニュージーランドの人口は424万人(2013年)。つまり、人口が日本の約30分の1なのでエネルギー消費量の合計も少なく、再生可能エネルギー利用率を高く保てているとも考えられるね。

★気候条件と風力発電

 ニュージーランドは南緯約35-45度に位置し、一年中偏西風という西からの強い風が吹く地域だよ。そんなニュージーランドでは、風力発電における平均設備利用率がなんと40%超え!設備利用率とは、発電施設における実際の発電量の、設備が100%稼働した時に得られる電力量中の割合のことで、日本では陸上風力で20%、洋上風力でも30%と言われているよ。つまり、ニュージーランドでは得られる風の力の40%以上を電気に変えることで、コストを抑えた発電が行われているんだ。ニュージーランドの発電の市場は競争性があり開かれたものにも関わらず、風力発電所はこの競争に補助金なしで勝利を収めるほど。ニュージーランド政府は「2025年までにエネルギー源の90%を再生可能なものに置き換える」(世界風力エネルギー協会)と発表しているよ。

  

★意識

 でも、理由はそれだけではないみたい。「国民一人一人の意識高い」のだとか。

茶実子「ニュージーランドに留学経験をもつ友達にインタビューをしたわ」

Q.日本との違いは感じられましたか?

A. 自然と共存しようとする意識を感じました。特に水を大切にしていたと思います。

Q.水はどのように大切にしていましたか?

A.シャワーは1人10分以内といった決まりがあるんです。水は貴重であり、温めることも容易でないので、決まりを守らないと最後の人が冷たい水を使うことになったり水が出なくなったりしてしまいます。国や自治体の決まりではありませんが、家によってルールが決まっていました。

Q.それは大変そうですね。水の利用の他に、自然と共存しようとする意識を感じたのはどんなところでしょうか?

A.コンセントには主電源を切るスイッチがついていたり、冷暖房を簡単に使わないところです。また、子どもはキャンプをしたり公園で遊んだりと小さい頃から自然と触れ合って遊んでいる印象を受けました。そして、そういった行動は彼らにとっては大変ではなく当たり前の事なのだと思います。

Q.なるほど。そういえば私も、オーストラリア留学でのホストマザーの「今日は寒いから、早く寝ましょう」という言葉が心に残っています。深く考えることなく当たり前に冷暖房を使う私たちの方が、おかしな行動をとっているように見えるのかもしれませんね。

A.そうだと思います。自分と同じかそれより小さい子どもたちが当たり前に環境に配慮した生活を送るのを見て、自分がいかに資源を無駄にしてきたか実感しました。

  

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