私たちの提案

 ここまで読み進めてくださった皆さん!食品ロスがどのようにして出るか、日本や世界でどうなっているかわかりましたか?食品ロスは私たちにとって、とても身近な問題です。 身近だからこそ、私たちにできることはたくさんあります。これからみなさんに家庭で実践しやすい方法を4つの場面に分けて紹介します。

買うとき

〜スーパーマーケットで買い物〜
「牛乳を買いに来たよ!あっチーズが安くなっている!家にまだあるかよく覚えてないけど買っちゃおう♪」
―このように、必要のないものまで買ってしまうこと、ありませんか?

無駄のない買い物をするために
1買い物に行く前に何があって何が足りないかをチェックする
2なるべく消費・賞味期限の近いものを買って早めに食べる
3セールやつめ放題に惑わされない

1・・・冷蔵庫の中身などを普段からチェックし、何を買うか決めてから買い物にいけば無駄を減らすことができます。
2・・・みんなが期限の遠いものをわざわざ棚の奥からとってしまうと、期限の近いものが売れ残り、結果捨てられてしまいます。
3・・・セールで商品が安くなると、お得な気がしてつい必要のないものまで買ってしまいがちですが、本当に使い切れるのでしょうか?よく考えてみてください。

〜スーパーマーケットでの工夫〜
 食品ロスの現状で説明したとおり、コンビニやスーパーマーケットでの食品の売れ残りも食品ロスの大きな原因となっていますが、 食品を売る側もロスをなくすための工夫をしています。そこでメンバーのうちの一人が住んでいる近所にあるスーパーマーケットを例にあげて紹介します。
そのスーパーマーケットでは、新しい食品ばかり売れて期限が近いものが売れ残らないようにある程度時間が経ったものが少し安く売られています。
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(メンバー撮影)
 また、安全に食べられるものの傷みや見栄えなどの理由で処分されてしまうような野菜や果物も通常より安く買うことができます。

保存するとき

〜久しぶりに冷蔵庫の中を整理〜
「冷蔵庫にいれたままだったソーセージの賞味期限が過ぎている!しょうがない、もう食べられないから捨てちゃおうっポイッ!」
 賞味期限と消費期限の違いを正しく理解して、食品保存のちょっとした知恵を知れば、さらに無駄を減らすことができます!

・賞味期限・・・食品をおいしく食べられる期限。この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない。
 賞味期限が表示される食品・・・スナック菓子、ジュースなどの飲み物、卵など
・消費期限・・・食品を安全に食べられる期限。期限を過ぎたら食べない方がよい。
 消費期限が表示される食品・・・パン、魚や肉、チーズなどの加工食品

期限を過ぎてしまったときは、自分で食べられるか判断してみましょう。

・みる・・・食べ物の色が変わっていないか、カビが生えていないか、つやがあるかチェック!
・かぐ・・・匂いをかいで、酸っぱい、腐った匂いがしないかどうかチェック!
・さわる・・スプーンやお箸で押してみて弾力があるかどうかチェック!

※くれぐれも無理して食べて体を壊さないようにしてください。
これらは期限がすぎてしまった場合の対処法ですが、そもそも期限が過ぎてしまうことがないように工夫して保存することも大切です。 そこで、食品の上手な保存方法を学びましょう。
冷蔵庫を活用しよう!
お家の冷蔵庫をチェックしてみましょう。食べ物がぎゅうぎゅうに詰め込まれていませんか? 冷蔵庫はいくつかの部屋に分かれていて、それぞれの食品を適した場所に保存することで安全な状態を保ちやすくなります。
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(画像:冷蔵庫の部屋)(出典:フリー素材をもとにメンバーが編集)
・冷蔵室・・・すぐに使う食品や飲み物を保存する部屋です。食品をぎゅうぎゅうに詰め込むと冷気が弱くなってしまい、 保存の質が落ちてしまいます。電気の無駄遣いにもなります。
・チルド室・・・冷蔵室より温度が低いのでより鮮度を長く保つことができます。
・野菜室・・・冷蔵室より温度が高いため野菜や果物の保存に向いています。ただ、冷蔵庫での保存が必要ない野菜や果物があるため注意が必要です。
・冷凍室・・・マイナス温度で食品をこおらせるので長期保存に向いています。 ただ、卵や牛乳など冷凍すると変質してしまう食品は向きません。また、温かいまま食材を入れると室内の温度が上がってしまうので冷ましてから入れましょう。
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(画像:詰めすぎ冷蔵庫)(出典:フリー素材をもとにメンバーが編集)
食材の詰め込みすぎ、ドアの開閉のしすぎは冷蔵庫内の温度上昇、電気の無駄遣いにつながるのでやめましょう。  

作るとき

 残り物を活用しよう!
 料理をした時などに余ってしまった食べ物は工夫すればおいしいおかずに変身します! それぞれの家庭で残り物をアレンジしている人も多いかと思います。そこで、私達は料理で余りやすい食材を使った、簡単なアレンジレシピを参考に作ってみました!
<大根と人参の皮のきんぴら>
料理するときによく出てしまうのが野菜の皮ですよね。ここでは大根と人参の皮を炒めたおいしいきんぴらを紹介します。 大根の葉も使うのでまんべんなく使い切ることができます!
〜材料〜
ごま油・・・適量
野菜↓
人参の皮・・・適量
大根の皮・・・適量
大根の葉・・・適量
たれ↓
しょうゆ・・・大さじ1
はちみつ・・・大さじ1
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〜作り方〜
1 大根と人参の皮を下の図のようにそれぞれ3〜5mm幅に切る。大根の葉は細かく切る。
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2 たれの材料をボウルに入れ、よく混ぜる

3 フライパンまたは中華鍋にごま油をひき、カットした野菜をいれてしんなりするまで中火で炒める。
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4 野菜がしんなりしたらたれを入れて野菜と絡めながら汁けがなくなるまで炒める。
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5 最後に盛り付けて完成!
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お弁当につめて学校へ持って行ったところ、友達に好評でした!料理が苦手な私にも簡単に作ることができました。お弁当のおかずにおすすめです。
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↓作り方の動画

<食パンでつくる簡単ラスク>
食パンを袋で買っても食べきれずに捨ててしまうことはありませんか?そんなとき使ってほしいのがこのレシピです。 多少固くなってしまった食パンでもおいしく生まれ変わらせることができます!
〜材料〜
余ってしまった食パン・・・・適量
バターまたはマーガリン・・・食パン1枚につき10グラム
砂糖・・・・・・・・・・・・食パン1枚につき大さじ1
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〜作り方〜
1 フライパンにバターまたはマーガリンを入れ、温める
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2 食パンを一口サイズに切ってお皿に乗せ800Wレンジで1分30秒加熱する。

3 食パンを裏返し、さらに30秒加熱す。

4 バターまたはマーガリンが溶けたところに(2)(3)の食パンを入れ、絡める。そこに砂糖をいれる。(砂糖を入れると焦げやすくなるので注意してください。)
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5 ほんのり焦げ目がついたら完成!
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包丁を使わず、フライパンでさっと炒めるだけなので安全で簡単に作ることができます。ちょっとしたおやつにいかがでしょうか。
(このコーナーでの写真はすべてメンバー撮影)

それでも余ってしまうとき

 堆肥を作ってみよう
 どんなに対策しても、調理くずが出てしまうことがあると思います。そんなときに挑戦してみてほしいのが「堆肥作り」です。 堆肥作りには庭に埋めたり電動生ゴミ処理機を使ったりという方法もありますが、庭のある人は限られているほか、電動生ゴミ処理機を持っている人は少ないと思います。 そこで、今回はプランターで作る方法を紹介します。
 しかし、生ゴミが何でも堆肥になるかというとそうではありません。調理済みの残飯は塩分や油が含まれているため使用できませんし、肉や魚は腐りやすく虫も寄ってきやすいです。 そのため、初心者は野菜の調理くずを使うことをお勧めします。

 生ごみ堆肥の作り方
1 プランターに土を入れる
2 水気をきった生ゴミを土を掘って入れる
3 生ゴミに土をかぶせる
  (しっかりかぶせないと悪臭が発生したりハエが寄ってきてしまいます)
4 時々かき混ぜながら1ヶ月ほど待つ
5 完成!土と混ぜて使いましょう。

☆(3)で土をかぶせる前に米ぬかをかけると発酵が速く進みます。また、プランターは直射日光が当たらないところに置くようにしましょう。

 私たちも実際に堆肥作りをしてみました。使った材料は人参と大根の皮です
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 ↑プランターに皮を入れたところ

この後、週に一回かき混ぜながら1ヶ月間直射日光が当たらない屋外に置いておきました。

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↑1ヶ月後このようになりました。

 大根は堆肥になりましたが、人参は発酵が進まずそのままです。原因として、11月から堆肥を作り、 屋外にプランターを置いておいたため気温の低さによりあまり発酵しなかったのではないかと考えました。堆肥作りをするなら暑すぎず寒くもない春か秋が向いていそうです。 また、もう少し皮を細かく切ってから土に埋めた方が良いのではないかと考えました。

 フードバンクを利用しよう
ここまで、食品ロスを減らすためにそれぞれの家庭でできることについて伝えてきました。今度は、実際に地域や社会で食品ロスを軽減する活動を紹介します。
「フードバンク」という言葉を聞いたことがありますか?最近テレビ番組や新聞でときどき見かけるこの言葉は、 店での売れ残りや見栄えが悪く売れない農作物などの廃棄されてしまう食品を福祉団体などに寄付する活動のことです。
 この「フードバンク」ではロスを減らすだけでなく食べ物に困っている人々を支援することができます。簡単な仕組みを紹介しましょう。
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 図のとおり、企業や農家、個人から寄付された食品はフードバンクを通じて福祉団体へと届けられます。 食べ物の無駄を減らし、貧困に苦しむ人々に安全な食料を届けることができ、一石二鳥です。
 しかし日本では比較的普及が遅かったため、フードバンクの存在を多くの人に知ってもらうことや、本来廃棄されてしまうような食品も扱うため、 衛生管理の徹底も課題となっています。

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