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§3:財政

 こちらのあやふやな表現のせいで、歳入と歳出を相手方が勘違いして、歳入の方が書いてあるのは、3町村だけでした。仕方ないので、3町村だけで比較を行います。まずは、歳入の方から。

地方交付税の歳入に占める割合 及び 財政力指数(H10年度)
町村名 決算 or 予算 地方交付税の割合とその額 財政力指数
小原村 予算 35.3%(10億7800万円) 0.406(40.6%)
足助町 決算 35.7%(23億3348万円) 0.358(35.8%)
富山村 予算 67.0% ( 4億8400万円) 0.05( 5%)

パッと見て、すぐに分かることといったら

「財政力指数が低いほど、地方交付税の歳入に占める割合は高くなる」

というところでしょうか。ただし、

「財政力指数が低いほど、もらえる地方交付税は高くなる」

というのは、あまり正確ではありません。いくら「財政力指数が0.01で全国一少ないから、それで30億円もらった」としても、「結局、必要だったのは10億円」ならば意味がありません(財政力指数が少ない≒人口が少ない≒必要な歳出は少ない)。つまり「優先される」ということ(?)
続いて、公債費(町債・村債)について見ていきます。公債費は借金を返した分。町債・村債は前にも書きましたが
「元利の70%までを地方交付税で補てんされる過疎債の発行」いわば、借りた分。
の中の過疎債のことです。これを買ってもらって、それで得たお金で「場しのぎ(?)」するのです。町債・村債と書かれているのは歳入(収入)の方で、公債費は歳出(支出)の方です。表にしてみます。

平成10年度 単位:千円 (豊根村は一般会計という形で省略してありました。)
町村名 決算 or 予算 町債・村債(歳入全体からの割合) 公債費(歳出全体からの割合)
小原村 予算 347,100(11.4%) 396,086(12.3%)
足助町 決算 575,900(8.8%) 750,721(12.1%)
設楽町 決算 なし 501,033(10.1%)
豊根村 なし なし なし
富山村 予算 40,600(5.6%) 19,119(2.6%)
東栄町 決算 なし 326,975(9.0%)

富山村は地方交付税が67%を占めていますから、少なくてもいいのでしょう。

町債や村債(過疎債)は国が一時的に払ってくれるものでしたから、
依存財源(→依存する財源。つまり、もらってるということ)にあたります。
地方交付税や県からの支出金(→補助金みたいなこと)も依存財源です。
つまり、依存財源が無ければ、その分は赤字みたいなものです。その割合は
足助町→ 44.5%(H10年度決算。地方交付税と町債のみから。譲与税などは除く。実際は、60%ほどか?)
小原村→ 63.7%(H10年度予算)
富山村→ 86.3%(H10年度予算)
と、おそろしく高くて、過疎町村の財政力の脆弱さが伺えます。