カルト

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このページの目次
カルトとは
カルトについて
なぜ、科学ではないのか
血液型判定
オーパーツ
あいまいさ
科学者
考察
参考ホームページその他
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子供用へ

 カルトとは ページの先頭へ

 カルトというものは、隠されたということです。もしも、誰もが知っている常識的なことであれば、それが真実とは違っていてもカルトとはいいません。逆に、それが正しくても常識に反していればカルトといいます。ニュートンが錬金術を行っていたことは、有名な話ですが、このように、擬似科学と科学の境界が非常にあいまいだった時代は昔の話としても、今でもミッシングリンク(失われた鎖、進化の途中の化石が見つからない事)などのあいまいな部分がままあり、そこにつけ入る隙があるのです。

 カルトについて ページの先頭へ

 カルトや、超科学などというものが、根強い人気を呼んでいます。空中浮遊などできるはずのないのに、有名大学の卒業生でも信じて異常行動に走ることがあります。そのような大きな事件以外にも、いまだにマジシャンが「超自然の力でスプーンを曲げる」など、超能力を持っているといったりもします。このようなカルト、超科学、超自然、超能力がなぜそこまで人気が根強いのでしょうか。

なぜ、科学ではないのか ページの先頭へ

 一言で表せば「反証不能」「追試不能」というわけです。その類に属する人の多くは「これがトリックだと証明して下さい、できなければこれを認めなければいけません」といいますが、マジシャンのトリックを科学者が見つけることが必ずしもできないことと同じように、なかなか難しいものです。
 その上、科学に必要不可欠である「反証」というファクターがあります、つまり、「こうこうこういう証拠があれば、この理論の誤りが証明される」たとえば「光の速さよりも高速で運動するものがあれば相対性理論は誤っている」などです。この反証がこの類の擬似科学では不能なのです。トリックを見破ったにしても、言い切れる事は「この場合に限っては超能力といわれるものが働かなかった」という各論に過ぎず、「調子が悪かった」「自覚症状は有りませんが」「未来になるのです」などといわれれば、主観的にはどうにしろ、客観的には議論が不可能になります。この状態を「超能力は証明された」という人がいるのでさらに問題は続くわけです。
 それから、追試の問題もあります。普通の科学実験では、実験結果が誤っている可能性は往々にしてあるものの、それが正しいかどうかを他の科学者が同じ実験を追試して、その結果によってその理論は向上していくわけです。しかし、超能力者やカルトを追試するわけにもいきません。「私にはあるのです」といわれれば、他の科学者が実験するわけにも行きませんし、せいぜい、同じ人物について他の人が実験するくらいです。それによって分かることは、その人は○○博士と××教授にばれないようなうまいトリックをつかっているという事実だけです。つまり、追試は不可能なのです。

 血液型判定 ページの先頭へ

 一言で表せば「血液型4つでなぜ60億人が分類できるか」ですが、これよりも重要なことは「なぜ、これが日本で人気があるのか」です。
 理由としては、まず、人間の多面性があります。場面場面に応じて人は利己的な所や他利的なところ、内向的な所や外交的な所など、様様な対立する性格を兼ね備えています。このような判定を見た場合、その人の当っている部分だけを思い出し、「当っている」と思うからです。次に、反対する人も「好きな人手勝手にやっていれば」と思うからです。しかし、血液型判定でいやな性格にされることが多いB型、AB型の人にとってはいやなものです。このB、ABというのは、日本でも少ない血液型ですから、どうしてこうなるのかは自明でしょう。
 そして、昔科学的に証明されたらしいということがあります。しかし、その理論は、結局破綻し、今では学会ではだれにも信じられていないのに、それを持ち出すわけです。自分の説に天動説を持ちこむようなものなのですが、それが「破綻した」ということが知られていないために起こります。統計的に○○に△型が多いというものもありますが、これはあくまでも「統計のあや」であって、たとえば同じ野球選手でも、打率や、チーム、打点、本塁打、犠打... と様様な分類ができます。その中でも、ベスト○という風な切り方ができます。このように、たくさんの切り方があるのですから、そのひとつにひとつの血液型が集中することもありえるわけです。

 オーパーツ ページの先頭へ

 オーパーツとは、絶対にないものです。たとえば、50万年前の石器の隣に、20世紀の合金が埋まっていたなどということがあれば、これはいわゆるオーパーツです。しかし、なぜそのようなことが起こりうるのでしょうか?
 偽造、捏造事件は、まずは論外とすると、2つの理由が考えられます。現在では、発掘の際に、地層毎に薄く剥ぎ取っていく「横掘り」が行われます。このメリットは、地層を崩さないので、いつの時代のものなのかがわかるということです。しかし、横堀は20世紀にはいってから日本人が開発したとされ、それまでは「縦掘り」で掘られていました。縦堀りは、ゴミを埋める穴を掘るように、下に穴を掘り進める方法で、比較的簡単なのですが、その際に出土した品物が、時間を超えて混ざり合う可能性があります。たとえば、縄文時代の貝塚の上の地層に、平安人が木簡を捨てた場合、横堀りでは、それぞれが違う時代だとわかるのに対して、縦堀では、同じ時代のものだと思われることがよくあります。
 そして、昔の人が穴を掘って埋めた可能性があります。平安人がゴミの穴を掘って、貝塚に当たっても、そのまま木簡を捨てるとどうなるでしょうか?注意深い発掘者であれば、それを見分けることができますが、それに注意を払わなかったり、注意を払っていても、見分けられない場合がよくあります。 AというものとBというものが同時期だというには、2つがそろって30例以上出土しなければ行けないといわれます。オーパーツにはそれがありません。

 あいまいさ ページの先頭へ

 科学にもあいまいな点はあります。いままでの法則に反する実験結果が出ることもよくあります。これを科学は「実験が誤っている」「新しい法則を作る」「既存の法則の修正」等で対応するのですが、擬似科学では、新しい法則を逆手にあたかも自分の法則が正しいように言うわけです。
 ビッグバンを否定する科学者もいますが、その人の理論を使って、天地創造説を主張するのが擬似科学です。そのほかにも、進化論なども、追試が難しいものです。他の惑星に個体が見つかれば簡単なのですが、どうして人そして自分がいまここに存在しているのかを示すことは難しいことです。
 月の裏側の話しも、戦前に月にロケットを飛ばせない時代は、「文明がない」と証明することは不可能でした。このようなときに「文明がある、うそだというならないと証明せよ」というのは、反証不能に引っかかるわけです。擬似科学によくあるのが・破綻した理論を使う・間違った実験結果を使う・誤った引用などです。「確かに○○だが、実際は××です」という文の「確かに○○だ」という所だけを引用すれば、あたかもその人が○○が真実であると主張しているように思われかねません。
 それから、言葉のあいまい性もあります。気功という言葉に、触れなくても人を投げ飛ばすなどというイメージを抱く人もいるでしょう。これは外気功で、科学では暗示やトリックによって起こると証明されたのですが、病気を改善する内気功については、ないとはいいきれません。これをあたかも外気功があるかのようにいう人もいるわけです。
 UFOは、当然存在します。原義である未確認飛行物体というのは、確認されなければ、鳥でも飛行機でも、気球でもみなUFOです。「UFOがいないことを証明してください」ということは無理なわけです。UFOを宇宙人と結びつける我々にも問題があるのでしょう。

 科学者 ページの先頭へ

 科学者はそれに対してどうしているのでしょうか?一般の視聴者は、科学者がカルトや擬似科学を暴くことを当然と思っています。しかし、カルト側が、生活のかかったいわば「プロ」であるのに対して、科学者側は、本業が「カルトを暴くこと」というごく少数以外は全て科学を研究するという本業があるわけです。
 その上、上手なマジックは、見極めることが非常に難しいわけです。逆に科学者よりもマジシャンのほうがトリックを見破りやすい面もあります。このように、科学者は暴いても何の学問上の得にもならないので、それを暴くことに全力を尽くす人はでにくいわけです。アメリカのランディーさんが、その数少ない人だといわれています。

 提案 ページの先頭へ

 ここで提案です。たとえば、放送法では、番組審査機構があるわけですが、それも番組内の内部監査です。そこで、新しく国のほうで文部科学省の下に、非科学的、宗教的事項の放送の内容審査委員会を作り、例えばタバコのパッケージにある警告のように「この放送では、非科学的事項を扱っています、18歳未満の方は大人といっしょに見ましょう」や、vチップに導入するなどをするべきだと思います。検閲に対する反感はあると思います、しかし、ハリウッドなどでも、何歳未満は大人と一緒になどという基準をつけることで、逆に訴訟から逃れる効果や、法の華何某の行ったとされるテレビ番組を不正に利用した特定の宗教の宣伝なども避けられるなど、効果のほうが大きいのではないのでしょうか?実際に大学生の50%は、超能力やカルトや、幽霊などのうち、一部は本当にあるのではないかと思っているそうです。その責任の一端をメディアは負う必要があるのではないでしょうか?

参考ホームページ、その他

菊地聡氏『超常現象の心理学』
平凡社新書,1999

佐原真氏『騎馬民族は来なかった』
NHK出版,1999


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