ミツバチに優しくする

ハチミツを使う


 ハチミツを買い、食べることで養蜂業界を支えることができます。日本では、あまりハチミツを食べる習慣がありませんが、欧米では砂糖の代わりに使うこともあるそうです。料理に混ぜたり、ヨーグルトやパンに塗ったりして食べるのも美味しいでしょう。私のおすすめは、ホットケーキに塗る食べ方です。

 ハチミツには、人工的に作り出した甘味料よりも高い栄養価があります。防腐剤を入れなくても腐らないほどの殺菌作用もあり、腸内環境を改善してくれます。他にも、子供の咳を抑える効果があります。昔、はちみつは薬として用いられていました。やけどから抗生物質の効かないような怪我にまで効果があります。

 はちみつを使うことは私たちの健康や生活に良い影響を与えてくれるのです。

花を植える


 花のことを、ただの色付きの雑草とは思ってはいけません。花はミツバチを始めとする多くの受粉昆虫の食糧源となります。植物が鮮やかで綺麗な色の花をつけているのは、昆虫に訪れてもらうためです。
 整備された美しい庭は、近所に住む昆虫たちの憩いの場となるかもしれません。もし近所にミツバチを飼っている人がいれば、花が多く咲いている場所は、ミツバチの採蜜スポットの一つになります。
 春に咲く菜の花は、手をあまりかけなくても綺麗な黄色の花を咲かせます。特に、セイヨウミツバチが多く訪花するそうです。初夏に咲くレンゲは、日本人が好む味のはちみつになります。

 花を植えることができない方には、雑草を必要以上に刈らないようにしていただきたいです。なぜなら、雑草にも小さな花は咲いており、ミツバチの蜜源の一つであるからです。

ミツバチを駆除しない

 もしミツバチが家の近くに出ても、なるべく駆除しないであげてください。特に、ニホンミツバチに多いのですが、ミツバチはしばしば分蜂をしたり、住みにくい巣から引っ越しをしたります。その時に皆で集まって蜂球を作ります。それが時々、街中に作られます。
 今年(2019年)7月8日には、神戸のアウトレットモールのベンチにミツバチが大量発生したとニュースになりました。自宅のベランダに分蜂バチが集まっていたという人もいます。
 分蜂バチを見つけた時に、ハチ駆除の会社に連絡するとミツバチは駆除されてしまいます。分蜂中のミツバチはいつにも増して穏やかであるにも関わらず。しかし養蜂家の方ならミツバチを捕獲できます。
 分蜂バチが集まっているときは放っておくか、お近くの養蜂家の方までご連絡ください。
 また、ミツバチの巣がお宅に作られた時もまずは養蜂家の方にご連絡ください。大量のはちみつが屋根裏に眠っているかもしれません。駆除の場合は殺虫剤を使うので捨てるしかなくなってしまいますが、捕獲なら取れたてのおいしい蜂蜜が手に入るかもしれませんよ。


参考文献
Rowan Jacobsen 『蜂はなぜ大量死したのか(原題 Fruitless Fall)』 文芸春秋、2009年
久志冨士男 『ニホンミツバチが日本の農業を救う』 高文研、2009年
一般社団法人 日本養蜂協会 ホームページhttp://www.beekeeping.or.jp/
フォーガスチャドウィック, スティーブオールトン, エマ・サラテナント, ビルフィツモーリス, ジュディー アール  『ミツバチの教科書(原題 The Bee Book)』 エクスナレッジ 、2017年