町中のインフォグラフィックス
■信号機
信号機には、歩行者や車の流れをスムーズにし、交通事故を防ぐ役割があります。
車のドライバーは運転に集中しなければならないため、道路の安全を保つには、信号機が遠くからでも見やすく、直感的に理解できることが必要です。
ここで、信号機に含まれているインフォグラフィックスの要素が効果を発揮します。
進んでもよいか、それとも止まるべきかを、ライトの色によって区別し、さらにライトの配置を統一することで、認識性が高まり、理解しやすくなっています。
青信号の残り時間を表示する機能を加え、安全性や利便性をさらに向上させたものもあります。
信号機の改良は現在も続けられ、ライトをLEDにするなど、より見やすく、そして分かりやすくする努力がされています。
■道路標識
道路標識は、ドライバーや歩行者に必要な情報を提供し、交通を円滑化する働きがあります。また、危険箇所への警戒を促したり、交通事故を未然に防ぐ働きがあります。
車は高速で走っているので、文字がたくさん書かれていたのでは読み終わる前に通り過ぎてしまい、道に迷ってしまいます。また表示を読むことに気をとられていると、事故の危険もあります。
安全で運転しやすい道路にするためには、標識を見て即座に意味を理解する必要があるのです。
それでは、標識の“色”に着目して見ていきましょう。まず、「落石の恐れあり」や「動物が飛び出す恐れあり」などといった危険箇所へ警戒する標識は、黄色 が多く、「通行止め」や「とまれ」などの交通事故を未然に防ぐ標識は、赤が多く見られます。また、「駐車可」や「横断歩道」を示す標識は青が多く見られま す。このように主となる色に違いがあるのは、ドライバーが一目で感覚的に理解できるようにするための配慮だと思われます。 それと同時に赤、黄、青の順でドライバーは現状の危険度も認識することが出来るのです。
ドライバーや歩行者にわかりやすく伝えることが出来るため、言語がわからない海外の標識を私たちが見ても、その意味が把握できるのです。
道路標識は国によって異なります。下の二つの標識は、オーストラリアと日本の歩行者用道路の標識です。いずれも言語に依存せず、多くの人に理解してもらえるよう工夫がされていることが分かります。
オーストラリアの道路標識 |
日本の道路標識 |
■フロアマップ
色分けがわかりやすいフロアマップ |
案内図やフロアマップは駅の構内や空港、 デパートの入り口付近などに設置されていて、目的地への行き方をわかりやすく伝えることが出来ます。
案内図は、それが設置された場所に慣れていない人が見ることが想定されるので、現在位置や目的地への方角が把握しやすくなっていることが求められます。言語への依存性の低い視覚的な表現方法を使うと、文字が読めない外国人にも位置情報が伝わりやすくなり、非常に便利です。
視覚的な表現の例として、フロアマップ上で店舗をジャンルごとに色分けをすることで、一目で分かるようにすることができます。 そして、各階のフロアマップを階ごとに並べ立体的に表現した店舗も数多く存在します。
また、最近ではインターネット上でも、デパートや博物館のホームページなどに、施設内の案内図が掲載されていることがあります。パソコンを使うと、印刷物にはできない動的な視覚表現も可能になるという利点があります。例えば、デパートのフロアマップ内の各店舗をクリックすることによって店の写真を表示したり、特定のジャンルや店舗を検索で絞り込むといったことができます。
■電車の路線図
路線図は電車を利用する人に自分の目的の駅をすばやく見つけるのに役立ち、その駅までの運賃やどの電車に乗ればそこにたどり着けるのかなどといった、電車を利用する際に必要な情報を利用者に伝えるという役割があります。 この目的を達成するために路線図は地形に忠実な図ではなく、デフォルメされた見やすい形になっており、金額の数字は他の文字と比べて大きめに表記されています。 また、たくさんの路線が載っている路線図は、路線ごとに色分けすることで、ほかの路線と混同しにくくしてあります。