女性用の礼装 |
≪留袖 −とめそで−≫ |
現代では既婚女性の礼装用のものをいいますが、元来は若い女性が十八、十九歳になるときや結婚のときなどに、振袖の脇をふさぎ、袖を短く切り詰めたものをいいます。
(C) MINAMI
本来は、大人になった女性が着用すべき衣服としての意味を強く持っています。したがって、成人女性用に最初から袖丈を短く仕立て、脇をぴったりと縫い付けた狭義の「小袖」とは区別します。
留袖は一般的に、黒留袖と色留袖に分けられます。
・黒留袖
既婚・未婚女性の第一礼装。結婚式や披露宴などの正式な場で着用します。
・色留袖
色彩が明るいので、お祝いの席には最適です。
ページ上部へ
|
≪振袖 −ふりそで−≫ |
広義には、身頃と袖との縫い付け部分をなくして「振り」を作った「袖」のこと、もしくはそうした袖付のものを指します。
狭義には、薄綿を入れた絹の袷(あわせ)で振りがあり、かつ打掛として着用しないものをいいます。
(C) MINAMI
(C) MINAMI
室町時代にはすでに存在が確認されており、もっぱら子供や若い女性に着用されていました。当時は「振袖」とは呼ばず、袖丈も今ほど長くはありませんでした。本来は十六歳以下の、基本的に体温の高い少年少女が気候に合わせて、通風機能を得て、体温を一定に保つためのもので、「脇明け」と呼んでいました。そのため、現在の振袖は本来のものから大きく外れたものです。
現在の振袖は、袖の長さにより、大振袖、中振袖、小振袖と分けられます。花嫁の衣装などにみられるものは、大振袖にあたります。成人式に着用される場合、中振袖であることが多いです。
ページ上部へ
|
≪喪服 −もふく−≫ |
原則黒無地・五つ紋付等の弔事の着物をいいます。葬儀・法事のときに準喪服として色無地に黒の帯をする場合もあります。
主に告別式に着る黒喪服は、関東では羽二重(はぶたえ)、関西では一越縮緬。さらにこれに五つ紋をつけたのもが黒喪服の正装となります。
紋は、実家か婚家の紋を付けます。どちらにするかは地方によって異なります。
帯揚げや帯締め、バッグや草履も黒で統一します。
色喪服は、法事のときに着る喪の略礼装です。
(C) MINAMI
一般的には親族は三回忌まで黒喪服、それ以降は背に日向紋を染めた寒色の色喪服が着用されます。帯の色は黒地で、徐々にグレー地の梵地(ぼんじ)や蓮などを描いたものに変えていきます。
黒喪服、色喪服ともに、半袢と長襦袢は白で、他のものも地味な色が良いとされます。
ページ上部へ
|
≪訪問着 −ほうもんぎ−≫ 〜Woman's semiformal kimono〜 |
一面が広げたときに模様がつながり、一枚の絵のようになったものをいいます。
色留袖の次にフォーマルでお洒落の要素を併せ持った準礼服で、結婚式のお呼ばれからパーティー、お茶席など幅広く利用できます。
(C) MINAMI
ページ上部へ
|
外出着 |
≪小紋 −こもん−≫ |
お洒落の代表的な着物です。結婚式などのフォーマル以外なら、いろいろな場面で着られます。
(C) MINAMI
|
夏の着物 |
≪浴衣 −ゆかた−≫ |
「浴衣」と表記するように、元来は入浴時に着用した衣服のことをいいます。その後、湯上りに汗取りの目的や風呂屋への往復、江戸時代中期以降は、夏場に帷子に代わる衣服として使用された一重仕立ての木綿の着物です。
(C) MINAMI
ページ上部へ
|
男性用の着物 |
・黒地・紋付羽織袴
男性の第一礼装。五つ紋、慶弔のどちらも着られます。
・色物・紋付羽織袴
現在では黒地紋付とほぼ同じ着方をする人が多いです。
・紋のつかない羽織袴
礼装としても着られます。
・着流し
袴をつけない着方です。無地着物、ウール着物、浴衣などがあります。
ページ上部へ
|